un deux droit

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ミル「自由論」

自由を容易く他者に明け渡してしまう現代にこそ、自由の価値と保持のための不断の努力の大切さを見つめ直して欲しいものです。

【書評】ちきりん「自分の意見で生きていこう」

弱者の兵法。

ディズニーなめてた

ディズニーは女の子のためのみにあらず。

村山昇「キャリア・ウェルネス」

本質的で実用的なキャリア論を学べる一冊。

荻原浩「神様からひと言」

大衆化する前の「凡人の反逆」とはいかなるものか。

Humankind 希望の歴史

ピグマリオン効果とゴーレム効果についての実体験を回想。

ミヒャエル・エンデ「モモ」

幼少期に出会っておきたかった小説。時間泥棒「灰色の男たち」との戦いに一人で挑む少女モモのお話。ちなみにここで言う時間泥棒とは、「作業がトロくて人を待たせ、私の時間を無駄にする人」のことではない。あなたがそういう人の存在を憎んでいる場合は、…

青木俊「逃げる女」

著者の名前を最近Twitterでよく見かける。興味本位で手に取ってみたところ、舞台が北海道だったので読むことに。最初はありがちな捕物劇かと思いきや、逃走した「犯人」の足取りを掴む目的で、事件の背景を紐解いていくうちにとんでもない真相の輪郭が鮮明に…

川瀬和也「ヘーゲル哲学に学ぶ 考え抜く力」

以前こんな記事を発見して、その論理展開の美しさに「賢い人がいるもんだなぁ」と感銘を受けた。 kkawasee.hatenablog.comこの人の書いた文章は今後も読みたいなと思って読者登録をしていた。(何気に九州人、同年代なのも気になるポイント。)そうしたら、…

「誰も知らない」

現代版&実写版「火垂るの墓」。 家族全員の演技が演技っぽくなく、淡々と一家が朽ち果ててゆく様は、現実のドキュメンタリーを覗き見ているような生々しさだった。周囲の大人のささやかな善意だけでは、それをありったけかき集めても全く足りない。子どもが…

垣根涼介「涅槃」

宇喜多直家という戦国武将の一生を描いた作品。悪名高いというその悪名についての知識無しで読み進めたが、存分に楽しめた。book.asahi.com 不遇な幼少期と、そこからの立身出世、旧弊にとらわれない治世の鮮やかさ、家臣への情に厚い采配など、「負けないリ…

山崎豊子「女系家族(ドラマ版)」

白い巨塔以前の、大阪船場の女たちを描いた山崎豊子前期作品に初挑戦。 遺産相続ものの原型のような作品で、現代の人間にとっては話の着地点は序盤で大体読める。それでも人間の浅ましさが余すことなく描かれていて見応え十分。寺島しのぶ演ずる長女の、た…

村田沙耶香「地球星人」

佐藤優「危ない読書」の中で、ヒトラー、スターリン、毛沢東、金正恩と肩を並べて紹介されていたやばい本。「コンビニ人間」もかなりイカれていたけれど、あの冷静に熟考して狂っていく独特の気色悪さをそのままに純粋培養したキワモノとなっている。読者ウ…

通過儀礼通過

子どもが姉妹だともはや通過儀礼と化した「アナ雪」 。民放で放映されていたので、1・2通して録画し、娘たちと視聴。どうせ途中で断念するだろうと思ったが、3歳の下の子も含め食い入るように話の展開を追い、最後まで見切った。姉妹特有の心に響く何かがあ…

LIFE SHIFT2

寿命の延伸に伴い、仕事、家族、地域との関係など、様々な側面における人生設計の大前提が大きく崩れている。その前提を「再設定」するのに有用な本。提言の基調は前作と変わらない。しかし、前作から今作の間にコロナ禍が挟まった。その影響で前作で描かれ…

中島岳志「思いがけず利他」

思いがけず利他作者:中島岳志ミシマ社Amazon勤め先の会長が利己心にまみれたどうしようも無い爺さんなのだが、なぜか仕切りに「利他」の精神を説く。自分が利己心丸出しで恥を垂れ流しているのを粉飾したいからなのか、それとも従業員の「利他心」を発揮して…

チンギス紀 十「星芒」

草原を統一し、いよいよ向かう所敵なしといった様相のチンギス。マップもモンゴル内だけだったのが周辺諸国へぐっと拡がった。チンギスに国を滅ぼされ、浮浪の民となった重要人物が、新たな土地で新たな人との物語を紡ぎ出し始めた。敗れたが生き残った者た…

グリーンブック

寝かしつけで寝落ちしてしまい、半端な時間に目が冴えてしまったので久々に映画鑑賞。面白かった。前情報なしに見たのにいつも実話を土台にした話を引き当てるのはなんの因果か。舞台は1960年代のアメリカ南部。黒人差別が今よりもはるかに色濃い時代に、一…

真山仁「ロッキード」

久々に読書中。 事件名だけは知っているが、実際のところ何も知らないので、真山仁の執筆ということもあり読んでいる。ロッキード事件とは田中角栄がロッキード社から賄賂をもらって、その見返りに航空機を購入したという話だと理解している。しかし一つ一つ…

話せないのではなく話したくないだけ

自分も、どもり治んねぇかなぁと思って見た映画。 私は妻の折檻が引き金となって悪化した感じがあるが、映画を見ると吃音というのはやっぱり精神的なものなんだなとしみじみ実感。自分はこれほどひどくないと思っているが妻には同じくらい聞き取れないんだろ…

試されすぎな父親

昨日はこれを読み切るために3時過ぎまで起きてたせいでひどい寝不足。迂闊に手を出したら面白すぎて止まらなくなった。 四十絡みのおっさんが、一人娘の命を守るために一線を越えるところから話が始まる。その出来事が次の困難を招き、この困難の解決が更な…

仕事とは「どっちでもいいこと」の選択の連続

今週のお題「眠れないときにすること」 眠れない時にするというよりは、これをするせいで眠れなくなっているという話。ここ1ヶ月、活字はろくに読めずマンガばかり読んでいる。 今更読み返してハマってるのがバクマン。連載当時は最初の3巻くらいまででお腹…

私たちは皆タイムリープしている

最期は神頼みならぬ仏頼み。 これは以前妻がこれでも読んでおけと打ち捨ててあった本である。私の苦悩の元凶から処方された解決策というのは気分の良いものではないが、著者に罪はないので蜘蛛の糸にでも縋るようにページをめくる。すると思いのほか収穫があ…

さいとう・たかを「太平記」

表紙の醸し出す気色悪さに思わず手が出てしまった。鎌倉幕府滅亡から南北朝時代までをゴルゴ調に描いた作品。中巻、下巻になるともはや全員ゴルゴに見えてくる。歴史でサラーっと習った後醍醐天皇〜室町幕府初期のあたりの混迷が、どのような思惑が絡み合っ…

浜辺美波の不思議な魅力

君の膵臓を食べたい 実写版最近、北村匠海にハマり始めていて、今更視聴。 そしたら浜辺美波の方に視線を奪われてしまった。 最初は何だこのポンコツな芝居は?と違和感が拭えなかったが、ずっとその違和感に晒されていると、それが役柄である、「不治の病に…

山崎豊子「白い巨塔」

全5巻読了。単なるドロドロの権力闘争ものかと思いきや、その辺りの話は前半で大体かたがつき、中盤からはほぼ医療裁判、最終盤は主人公自身の病との戦いという、様々なテーマが輻輳していた。この本のテーマを一言で言うならば「矜持」。医学者としての矜持…

山崎豊子「白い巨塔」

有名すぎて後回しにしていた白い巨塔を今更読み進める。男どもの醜さや愚かさを書かせたら天下一品。外国人が日本社会を理解するなら山崎豊子の翻訳だけ読んでいれば概ね間違いないと思うが、英語にしたら意味不明なのかほとんど翻訳されていないみたいだ。…

ビューティフル・マインド

妻が、昔のラッセル・クロウが好きだったというので気まぐれで観てみた、タイトル以外何も知らなかった作品。「ナッシュ均衡」というこれまた名前だけは聞いたことがあるゲーム理論の生みの親で、ノーベル経済学賞を受賞した数学者であるジョン・ナッシュの…

山口周「ビジネスの未来」

資本主義は経済合理性に拘束されているので、経済合理性のある社会問題解決にはものすごくハマった。そして解決し切った。残された課題は問題が困難か、あるいは希少のどちらかの要素のために取り残されたものばかりで、資本主義のロジック一本槍で社会を回…

男嫌いを加速させる傑作

あさきゆめみし、読了。仕事も、課題図書もそっちのけで読み耽った。男の身勝手な色欲と独占欲に翻弄された女が厭世の念に囚われて片っ端から出家していく切ない物語。断髪して自らの価値を捨てるという形でしか男に復讐できない女性たちの立場の儚さが心苦…