un deux droit

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村田沙耶香「地球星人」

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佐藤優「危ない読書」の中で、ヒトラー、スターリン、毛沢東、金正恩と肩を並べて紹介されていたやばい本。「コンビニ人間」もかなりイカれていたけれど、あの冷静に熟考して狂っていく独特の気色悪さをそのままに純粋培養したキワモノとなっている。読者ウケとか人気取りとか一切考えていない捨て身の作品。むしろ突き放しにかかっている。お前はこの先を読む勇気があるのか?と絶えず問われる。そのアラートは章を追うごとにけたたましくなる。最後まで突き進んだところで読後感は最低だろうなぁとわかっていながらページをめくる手が止まらない。ポハピピンポボピア星人という「概念」は、その星人に触れると感染するという設定なので、読者も読むにつれてじっくりことことポハピピンポボピア星人に仕上がっていくのだろう。村田沙耶香は書籍の流通という形をとって、大量のポハピピンポボピア星人を「産み落とした」。この出版行為は、もはや「乱交」と名付けていいのかもしれない。この最低の読後感は陵辱の類に分類されるだろう。村田沙耶香によって脳を「壊された」感があるが、彼女の目的は地球星人に対する復讐と根絶なんだろうと感じた。とりあえずおすすめです。ポハピピンポボピア