un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

【書評】ちきりん「自分の意見で生きていこう」

f:id:un-deux-droit:20220307235321j:plain

久々のちきりん本。彼女のブログでの主張に意見の相違はあれど、思考プロセスや洞察そのものは大いに参考になるので書籍は素直に読んでる。はてなブログやってるのも彼女の影響。

すでに自分の意見で生きていっているつもりになっている私が、わざわざ読む価値あるか?とも思ったがやはり読んで良かった。一つには、自分の意見だと思っているものが意見の「要素」を満たしているか、それを再確認する手段として。もう一つには、自分の意見で生きていき続けることの応援歌として。

まだ自分の意見で生きていけていない人には新たな学びを得る丁寧な参考書になるだろう。すでに自分の意見で生きている人は、そのことで生じる摩擦とその痛みは極めて健全なものであり、そんなものにへこたれてはいかんなと奮起させられることだろう。

意見を発信することで発生する「ノイズ」は大概「反応」に過ぎない、と彼女は言う。そんなものを無視してしまうか、余裕があれば「であんたの意見は何よ」とほじくり返してやればいい、と喝破する。意見の言い方だけでなく、意見言った気になっているだけの奴の効果的なやっつけ方まで指南していただける大変お得な一冊である。(多分そういう意図の本ではないし、なんならもう一度読み返したらそんなこと微塵も書かれてないかもだけど、読書体験のアドレナリンが私にそのような拡大解釈をさせたのだということでご容赦いただきたい。)