un deux droit

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ミル「自由論」

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今更古典シリーズ(そんなものはない)。

古典の中ではかなり読みやすい部類。自由とは何で、何ではないか。許される自由の侵害と許されない自由の侵害の線引きはどこにあるか。そんな内容が書かれている。

内容の是非や良し悪しよりも面白いのは、自分の説を主張する際の丁寧さ。執拗さと言い換えていいかもしれない。ここまで厳密に定義をし、想像しうる限りの反論に対して抗弁している。しかもその抗弁のそれぞれに卓越した風刺を効かせることを欠かさない。その巧みな論説に思わずニヤニヤしてしまう箇所が随所にあり、ついつい気持ちよくページをめくってしまう。
心地よい読書体験であった。