un deux droit

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『miss you』は桜井さんなりの贖罪と受け取った

Mr.childrenが新作アルバム『miss you』をリリースして2日が経った。聞けば聞くほど切なくなる歌が立て続く。かつての桜井さんが繰り返し描いてきた理想や夢、未来はことごとく描かれない。どこまでも閉塞的な眼の前の現実を直視した歌ばかりだ。終わりなき…

陽炎

9月の勤務が終わった。9月は東京に行くはずの機会が三度あったが、どれもオンラインで済ませた。一つはインタビュー、一つは全社会議、一つは座談会のファシリテーター。会議はともかくとして、残りの二つは自分が場を回すのに、わたしだけが現地にいない、…

おかえり伊良部先生

CDを買いに行こうとTSUTAYAに行ったら、お目当てのCDは置いていなかった代わりに奥田英朗の新作「コメンテーター」を発見した。ジャケットを見ただけで脳内に稲妻が走る。伊良部先生…!!!!あなたに会いたかった。このシリーズは「イン・ザ・プール」「空…

自分語りブログの最高峰〜【書評】アルジャーノンに花束を

私は教養が乏しいので、表題の作品を恋愛小説がなにかだと思い込んでいて、自分には全く無関係の代物だと見做していた。しかし先日、あるブログで「SF」のジャンルで紹介されているのを目にし、俄然興味が湧いて即入手してきた。そして休むまもなく読み終え…

垣根涼介はちきりんさんから学んだ

直木賞に垣根涼介さんが選ばれましたね。 ところで、はるかはるか昔にちきりん (id:Chikirin)さんが、彼の作品を推薦していた事実をあえて取り上げても罰は当たらないでしょう。chikirin.hatenablog.com 私が社会人1年目で病んでいた時、ちきりんさんのブロ…

対面の人間関係において、学歴は知りたいが教えたくないもの

「小田嶋隆の学歴論」を読んだ。人はなぜ、人の学歴を尺度にして人の価値を測れずにはいられないのか。学歴なんか関係ない、意味はない、有害だと言いながら、自分の子どもには死にものぐるいで学歴を与えたがるのか。学歴に囚われまい、と考えること自体が…

【書評】三体0 球状閃電

三体シリーズはもうおなか一杯かなと思って読むのを避けていたのだが、劉 慈欣の世界観に浸るおクスリが切れてきたので、結局充填。厳密には三体と無関係の本作だが、本作単体として十分面白かった。球状の雷の正体は何なのか。そしてそれはどのようにして発…

【書評】劉慈欣『老神介護』/『流浪地球』

三体シリーズを読破して、もう彼の文章はお腹いっぱいだと思っていた。宇宙をネタにした話はもう三体で書ききったでしょ。あれがもう唯一無二の結論だよ。これ以上何を付け足すことがあるの。そう思えるくらい、三体が素晴らしかった。彼の他の作品を読んで…

【書評】國分功一郎『目的への抵抗』

先日、フォローしているブロガーさんが紹介していた『暇と退屈の経済学』という本を読んでみたところ、たいへん面白かった。するとその「続編」と題した新書が書店に並んでいたので即買い。タイトルがまた良い。目的への抵抗。ありふれた言葉どうしをくっつ…

【書評】泉房穂『社会の変え方』

現・明石市長の泉さんが、任期満了に伴う引退を目前にして残した政治の教科書。在任中の12年で何を成したか、それはどのような考えに基づいたものなのか、その考えのルーツはなにか、という思考回路を詳らかにした作品。極言すれば、政治家の役割は、①ルール…

生きる意味を見つけるか、死ぬ恐怖を克服するか

昨日、山手線で人身事故があった。亡くなった方が線路に降りる様子の動画がツイッター上で拡散されていた。寝る前に見るもんじゃないとわかっていながら、自動再生される動画をついつい見てしまう。私が見たのはかなり遠くからの映像で、ぼんやりとシルエッ…

【書評】奥田英朗『リバー』

『罪の轍』以来の奥田英朗。リバーというタイトル、続いて、帯にある「渡良瀬川」のキーワードで、数年前にブームになった文庫Xの存在を思い出した人は少なくないはずだ。今回は未解決事件、北関東連続幼女誘拐殺人事件を下敷きにしたフィクションである。『…

分人という概念に触れる

数日来続く夫婦喧嘩で疲弊していたのと、その現実逃避で忍者マストダイにハマってたのと、今日実施したセミナーのカリキュラム作成で忙しく、ブログを放置していた。本もろくに読めておらず、脳みそすっからかん。とりあえずプレッシャーのかかる仕事は乗り…

【書評】村田沙耶香『信仰』

彼女の本は、コンビニ人間や地球星人を読んでかなりヤバい人だな(褒め言葉)だと思っていたが、短編集になるとヤバさそのまま話が短くなるので濃度が濃い。小説の形を取った告発というか、挑発というか、宣戦布告のような作品。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b…

【書評】プロジェクト・ヘイル・メアリー

『三体』を読んでしまってから、もう宇宙を取り扱ったSFは読めないと思っていた。どれも『三体』を超えることはできない。だから手に取ることすらしない、と。その確信は一年足らずで瓦解した。あっさりと別の作品を手に取り、むざむざと個人史上一位の記録…

【書評】THE MODEL

大学の先輩が好意的なコメントしてたので手に取ってみたのだが大当たり。 営業とはこういう営みなのだ、という丁寧な解説書、という印象。 SaaSとかカスタマーサクセスとかちょっと前にはやった言葉を聞きかじってわかった気になっている弊社の上層部にはま…

GIVERが手放しに賞賛されることについての留保

なんらかの宗教的素養がないと難しいかも

【書評】篠原信『そのとき、日本は何人養える?』

農業の本だと思わないで読むと面白い

【書評】BREATH呼吸の科学

夫婦喧嘩にも効果があったらいいな

【書評】出口治明「復活への底力」

ますますファンになりました。

【書評】仕事も家庭もうまくいく!共働きのすごい対話術

原因がわかったとて解決できるとは限らないが、何もわからないよりは遥かにマシ。

これぞ保守的謙虚さの真髄〜【書評】岡田憲治『政治学者、PTA会長になる』

全小学校の入学式で、最初に配るべき本。

自己啓発本は思考力強化にうってつけ~【書評】喜多川泰『運転者』

どんな本も学びになります。ええ。

【書評】江森敬治『秋篠宮』

自分が天皇家に生まれ落ちたとしたらどんな気分になるでしょうか。

【書評】マシュー・サイド『失敗の科学』

本当に失敗を恐れるならば、失敗を恐れてはいけない。

【書評】小田嶋隆『東京四次元紀行』

小田嶋隆 最高傑作。

脳内の本棚を棚卸す

星新一だと「おーいでてこーい」が大好きです。

猫も杓子も発達障害〜【書評】岡田尊司『発達障害グレーゾーン』

「発達凸凹」という言い方を浸透させようと頑張っている人の気持ちがわかった気がするよ。

【書評】ダニエル・カーネマン『NOISE(上・下)』

久々に脳内で数学的な処理をして、頭から火が出そう。

マシュー・サイド「多様性の科学」

「多様性」の世界に驚くほど「多様性」があることを知らしめる一冊。