un deux droit

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さらば東京(できれば永遠に)

疲弊した。

人混みと高層ビルの圧迫感に精神を削られてたどり着いた本社は、坪単価が高すぎるせいで流行りのフリーアドレスが採用され、人一人に快適な作業スペースを与えられず、ネズミ小屋と化していた。外から見ると煌びやかな摩天楼も、内実はこんなもんかと嘆息する。福岡にいた方が遥かに気分良く仕事ができる。

じゃあいろんな人が集っているから対面で交流できる、というかけがえのない価値についてはどうかと言うと、ネズミ小屋に押し込められているせいで脳みそが満足に働いていないのと、常に管理職の陰湿な監視下という閉塞感のために自由闊達なコミュニケーションは阻害されている。これなら誰も見ていない自宅から互いにオンラインで繋がっていた方が伸び伸びと交流できる。

今回の出張のメインテーマだった全社会議は、経営陣の独りよがりな発表をダラダラと聞かされ、目的不明なくだらないワークショップを二、三強いられる不毛な時間だった。さりとて、これ何の意味があるんすか、と声を上げて波風立てるにはあまりに人が多すぎて、皆白けきって、ひそひそと隣人と陰口を叩きながらもついぞ場を有意義にする変化を起こさぬまま時間を空費してしまった。典型的なグループシンク。人の密集していることがかえって場の改善を阻む様をまざまざと見せつけられた。

むしゃくしゃした気持ちのまま博多に帰る。子どもにあって癒やされるとする。家族がいるありがたみをしみじみと感じる。