un deux droit

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抵抗勢力に囲まれて

4月から進めている新規事業だが、経営陣の塩対応が改善されない。
「役員・管理職を一切噛ませない」&「部署横断型」という当社で前例のない進め方をしたプロジェクトが、予想以上の反響で順調に見込み顧客の獲得が進んでいる。本格的なリリース発表をしていない段階にも関わらず「売りたい」と感じた営業がβ版の提案資料で紹介し、成約率が9割という鬼のように効率の良い商材が誕生した。
この動きに経営陣が待ったをかけた。一旦新規の受注は停止し、先行して進んでいる顧客で「効果検証」をしてから正式に事業として進める、と言い出したのだ。いまだかつて自社商材の「効果検証」なんてしたことなど一度もない()というのに、なぜこの事業だけ目の敵にされるのか。著しく公平性を欠く、と訴えたが結論は変わらなかった。やったことのない効果検証でGoサインを出す基準を設定することなどできるわけがない。永久に懸念材料を持ち出してきて生殺しにして時間を浪費し、そのうちに商材としての鮮度を失わせる魂胆だろう。

取締役の一人が言う。
「事業としては前向きに捉えているが、お前は然るべき稟議を通さずにスタンドプレーで事業を進めた。そのことについて強い不信感と懸念を抱いている」

私も私で、
「それはこの事業の合否となにか因果関係があるのでしょうか。進行プロセスが悪ければ、たとえ事業に可能性があっても投資しないということですか。事業が有望だが責任者が使えないというのなら、私の首を切ってあなた方の子飼いをすえて事業そのものは継続すればいいじゃないですか。でもそれが無理だ、私にしか回せないとわかってるんですよね。事業をやりたいんだったら私のやり方に不満でもやらせるしか無い。私のやり方に我慢できないなら収益の可能性を諦めてでも事業撤退をすべき。どちらかしかとれないんですよ」
とひるまない。顧客がバックについているので強気に出られるし、顧客に期待させた手前、やっぱりできませんとは言いたくない。
その後も勝手に商材の中身を変えようと言ってきたり、料金設定をいじろうとしてきたりと余計なちゃちゃ入れをしようとしてきたが、「すでに顧客に説明しているものと相違が出るので辞めてください」と突っぱねる。
結局物別れに終わり正式な認可はお預けとなったが、粛々と顧客の内諾を取り付けてまわり、既成事実を積み上げていくことにする。商材の供給体制は完備したので、経営陣が折れたら翌日には供給できる状態になっている。


虚しいな、と思うのは、どうしてここまで心を閉ざし、不信感をぶつけ、懸念ばかり示してくるのだろうか、ということ。
たまたまだけど、経営陣からも妻からも「お前とはコミュニケーションが取れない」「ホウレンソウがなってない」と言われて凹んでいる。
会社には賛同者がたくさんいて、皆口を揃えて「おかしいのは経営陣だ」と言ってくれるのだけれど、妻も経営陣も実は正常で、私が発達障害的なのかもしれないという不安が拭いきれない。自分がコミュ障なだけなのか、コミュ障の人ばかりを周囲に置いてしまっているのか、そのどちらもなのかはわからないが、とかく生きにくい。自分だけがこんなに生きにくいのか、誰しもが生きにくさに苦しみながらそれを見せずに暮らしているだけなのか、そのあたりを明らかにしたい。そんなのがわかったところで所詮気休めにしかならず、生きにくさは変わらないのだけれど。