un deux droit

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桜満開の春に

昨日は長女の学童初日and次女の保育園転園初日。学童には給食がないので、月の半ば過ぎまでお弁当作り生活のスタート。早起きして慣れない作業に取り組み、後で起きてきた妻にレイアウトや色合いのダメ出しを耐えいざ送迎。通行ルートの時間帯ごとの混み具合は今から情報が蓄積されるので、序盤は余裕多めの時間配分。

長女の学童登園はあっさりしたもので、建屋に抵抗なく吸い込まれていったが、次女の保育園は大変だった。
知らない先生、いない友達、遊んだことのない遊具。精神的にタフだなと思うことの多い次女も、この環境変化は堪えたらしく、「ここでは遊ばない」と頑として預かられることを拒否。無理やり引き剥がす格好になり、この世の終わりのように泣き叫んでいた。次女からすれば「一定時間ののちに必ず親が迎えにくる」という実績のない場所で放置されるのは不安で仕方がないのだろう。心苦しさをいっぱいに貯めながら園を離れる。

会社は会社でこちらの事情はお構いなしに、能天気に入社式を執り行い、数々の業務フロー変更、配置転換を実施して、心理的に余裕のない私の作業効率をきっちり蝕んでくる。顧客からの容赦ない面倒な相談事が次々舞い込む。新規事業の問い合わせもジャンジャン来て、商談のスケジュール押さえが次々に入る。おいその日は入学式で有給って書いてあるだろちゃんと読め。

とりあえず緊急の仕事を片付けると15時。次女の涙が頭から離れず、早引きしてお迎えに行ってみる。

園に着くと、放心状態でボソボソとおにぎりを啄む次女の姿を捉える。急いで駆け寄るも、表情が死んでいてずっと俯いている。私は深く心が傷つきました、というアピール。「アイス食べに行こ」と言うと、少しだけニヤリとして、残りのおにぎりを少しずつ食べ進め、名も知らぬ先生に小さな声で「ごちそうさま」を言い、ゆっくりと駆け寄ってくる。「がんばったね」と声をかけると無言で小さく頷く。

「ともだちできた?」「うん」
「たのしかった?」「うん」
「またいきたい?」「ううん」

まださすがに抵抗がある様子。

「みゆちゃんがいなかった」

前の園で1番の仲良しだった女の子だ。

「みゆちゃんにあいたいな」

子どもに良かれと思って家を建てることを決めたわけだけど、それに伴う引っ越し、お別れのために、幼児には辛い経験をさせたなと思う。心苦しい初日となってしまった。

その後、学童へ長女を迎えに行く。すぐにできたらしい女友達と園庭で走り回っている長女を見つけ、次女が駆け出す。後ろから抱きついて再会を喜ぶ。

「あれ、もう帰ってきたと」

長女は薄情だ。もうすっかり自立している。

次女はすっかり安心した様子だ。

いい姉妹だ。姉妹で本当によかった。

夜中に少し夜泣きしたけれど、元気な姿で朝を迎え、少し精悍な顔つきを見せる次女を見て安心する。色々と思い通りにならないこともあるだろうけれど、逞しく生きてほしい。

「みゆちゃんにあわせてよ」



みゆちゃんも同じようなことを親御さんに言っているのかな。