un deux droit

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長子の抱える病理を断ちたい

「あーちゃん(妹)、おねぇちゃんに何にもかなわんもんね。」

 

今朝の保育園登園時に、長女が出し抜けにこう言った。

とても嫌な気分になったのでめちゃくちゃに怒った。

6歳と3歳で3年も離れていて知能体力で絶対的に優位な相手に対して、わざわざそのことをあげつらって相手の立場を下位に固定しようとしたがる心性を醜いと感じたのだ。

 

・姉妹の差は所与のもので自分の手柄のように誇るようなもんじゃない。

・そういうどうしようもない差のことでマウンティングされることがどれほど気分悪い扱われ方なのか想像できない人間はダサい。

・仮に能力が高く、それが自分の努力の賜物で、誇らしく思ったとしても、周囲から嫌われるような言動をしていたら、他人はその能力を高く評価したくなくなる。

 

まぁこんなことをできるだけ子どもがわかるような言い方に翻訳して伝えた。

多分伝わってはいないが、いずれわかってくれれば良い。

 

長子というのはどうしても性格が歪みがちというか、常に後ろから脅威が迫り、追いつき追い抜かれる恐怖に苛まれていて、それを押さえ込もうという欲望が抑えきれないようだ。自分も長子だし、私の性格が遺伝しているところもあるだろうから、娘はより顕著にそういう歪みがあるのだろう。

 

自分が向上するより周囲の足を引っ張った方が、自分の優位性を保つのに必要な労力は少ない。しかしそういうことをよってたかってやり合う集団のパフォーマンスはどうしようもなく低迷してゆく。内田樹が著書『下流志向』で指摘した病理が長女にも受け継がれつつある。その病理をどうにか自分の代で克服して、互いの成長を祝福し、支援し合う姉妹関係を築かせてやりたい。親の役割は自分の人生で苦しんだ負の要素の連鎖を断ち、後世の人間には自分が幼少期に望んでいた世界を提供することにある。