un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

運動に隠された効用

体力の向上と体型の維持を目的として始めた週一のランニングを1年間継続できた。体重も体脂肪率も全然変わらなかったが、最初は3kmくらいでへばっていたのに10kmが完走できるようになり、10km走るのに1時間以上かかっていたのに50分台までタイムを縮めることができた。1時間近く否応なしに自分の身体と向き合わざるを得ない時間を定期的に確保すると、思いがけず気がつくことがある。

最初の発見は走り始めて半年も経った頃。馴染みのコースをいつものように走っていると、それまでずっと平坦だと思っていた道が、実は緩やかに傾斜がかかっていることに気づいたのだ。長らく活用せずに死んでいた平衡感覚が半年のランニングで復活したのだ。また、登り階段で時折つまづく、電車の横揺れでよろめく、といったこともなくなった。車の運転での危険察知や、機転の効く判断なども自覚することが増えた。指先の末端まで細やかにコントロールできているような感覚を長らく失っていたことに気づいた。日常生活でも運動神経、反射神経が衰えていると思わぬ不便を知らず知らず被っていたのだなぁと思う。

次に感じたのは体臭の変化。昨年までは「これが加齢臭というものか」というような予兆を自分に感じていた。唾液の分泌が減り口が臭う。これは老化で仕方のないもの、と思っていたのだが、症状が消えた。体臭はおそらく代謝の低下による老廃物の蓄積の匂いで、代謝で出せない分を運動で排出すれば軽減できる。根拠はないけどそういうことなんじゃないかと思う。

また唾液の分泌も増えたように思う。そのせいなのかはわからないが食事が美味しく感じる。痩せない理由はそのため。だがかといって太ったわけでもなし、別に何を目指しているわけでもないので、好きなものを好きなように食べるために運動していると割り切っている。

次に気づいたのは精神の安定が運動のパフォーマンスにめちゃめちゃ影響を与えているということ。ランニング中に何か不安に思うことや誰かからの連絡が来ると、途端に呼吸が乱れバテ始める。何も心配事がなく集中を切らさず走り切るととんでもないタイムが出る。10km走だと最高と最低で5分くらい差が出る。あるいは最低の場合完走する意欲が減退しリタイアということもある。

とどめは、女性と同様に、男性にも生理に近いバイオリズムがあるという発見。もちろん出血があるわけではないが、いわゆる発情期のような、身体パフォーマンスが高まる時期というものがある。からも根拠はないがそんな気がするというもの。

総じて人間も動物だという当たり前の事実について、その具体的な意味を一つ一つ噛み締めるには身体を動かし続けないと気がつけないね、という話。対戦系の運動だと勝負に意識が取られてしまうので、一人で完結する系がおすすめ。

 

今週のお題「最近あったちょっといいこと」