un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

動物とロボット

「そんなに意固地にならなくていいのに」


時間が経つごとに、感情のわだかまりがほぐれ、だんだんどうでもよくなり、元の鞘に戻りたくなる誘惑が襲ってくる。


アパートの内覧の連絡が来たり、東京への転勤オファーを真に受ける会社からの問い合わせがきたりするたびに
「本当に引き返さなくて大丈夫か?」
と現状維持バイアスが邪魔をしてくる。

そうやってこれまでも何度も痛い目を見てきた。
昨日から書きなぐっているブログを何度も見返し、初心忘れるべからずと自分に言い聞かせている。
お互いにお互いの幸せを願っていないことは火を見るより明らか。もどって関係を修復して表面的にでも仲良し夫婦を演技するプランが全く描けない。これで出戻ったらまた自分の立場が悪くなるだけだ。妻は自分も言い過ぎた、悪かったとは決して言わないのだから。

結局これまで表面的には仲良く振舞い、楽しく笑いあっていた日々も、心から気を許して居心地よく過ごしてはいなかったんだなと今では思う。その気の許し、甘えをすべて「私を母親だと思っている」と妻は片っ端から斥けてきた。それを「母親に対する甘えの模倣」だと生理的に嫌悪している時点でもう私の存在が妻に受け入れられていない。まるで痴漢扱い。その疎外感の蓄積が破綻を招いた。妻は誰とでも肌触れ合うこと自体を嫌悪している。人を愛する能力が乏しいと思う。だから親密な人間関係を築くことが難しい。少なくとも、私は会話のみ、精神的な繋がりのみで人と関係を温めることは不可能だった。その点私は動物で妻はロボット。そもそも生命体としてのメカニズムの大半を共有していない。自分の願う親密さは形成できない。早くあきらめたまえ。