un deux droit

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男性活躍禁止法が施行されました

最近更新が途絶えがちだ。

というのも、妻との関係に疲弊しきっているためである。

予兆は夕食へのダメ出しから始まった。
これまでは「共働きなのだからある程度食べられれば良い、クオリティを求めて時間をかけすぎるな」という路線で、私が平日全ての朝夕の料理を担当してきた。献立や買い出しの計画と、仕事時間の調整はとても大変だが、なんとかやってこられた。しかしそこにクオリティが求められると話は別だ。
「この具材が足りない」
「煮込みが甘い」
「味付けが辛い」
「見栄えがイマイチ」
「米が硬い」
「米が柔らかい」
「汁気が多い」
「汁気が少ない」
など姑のごとくネチネチとケチをつけてくる。
いや、そういう細かい匙加減をある程度放棄するって約束だったじゃん、と言うと、
「向上心がない」
「作ったんだからありがたく食べろという押し付けが嫌い」
「美味しいものを食べてもらいたいという感情に乏しい」
「私を軽んじている」
「そんなに調整が嫌なら私が作る」
と畳み掛けてくる。
そうやって、仕事のやりくりをしながら必死の思いで食事を提供する私の努力を平気で踏みにじってくるのだ。
「現状維持は衰退」
が口癖の妻だが、仕事の役割が重たくなって調整が困難になり、子どもの成長に伴い臨機応変に対応することが増える中で、現状維持することの価値を認めない、というわからずやな姿勢が私を苦しめる。
あなたが家事のクオリティを高められるのは他の変数が無い、つまり仕事内容に変化がないからじゃないのか?そう訝しくも思う。

会話の応答が生返事だったり、ちょっと話がわかりにくかったり、話しかけるタイミングが気に食わなかったり、買い物を頼まれていたものに漏れがあったりすると、それだけで妻は
「私を蔑ろにしている」
「私を軽んじている」
と立腹する。
常に妻のことを最優先に考え、常に妻からの要望を誤謬なく遂行し、常に妻の心地よく負荷のかからないコミュニケーションを維持しろというのか、と問うとそんなわがままでは無いと言うのだが、やっていることはまさにそれである。相手にも色々あるよね、と受け止める懐は皆無だ。

最もタチが悪いのはそういう苦言が就業時間などお構いなしに妻の気がすむまで延々と続くことだ。妻は在宅勤務だし、納品さえ遅滞なければ日中は何をしていても咎められない特殊な仕事をしている。しかし私は普通のサラリーマン。会議だって頻繁にあるし顧客との商談もある。どうしてもこの時間は動かせない、という予定が満載である。
その違いをわかっているくせに、妻は一度火がついたら罵る口を止められない。事前に予定を共有していても「知らない」「見てない」「聞いてない」とつれない。私に認識されるだけしっかりと伝えないお前が悪い、の一点張りだ。口論の途中で以降の予定を伝えたとて、伝え方が悪い、と屁理屈をこねてくる。結局私の予定に配慮する気などさらさら無いのだ。そしてそれは全て私が招いたことだと責任も押し付けてくる。

妻がひとたび傷つけられたと感じたら、その瞬間から加害者は全ての人権を失うらしい。それこそ「私のことを軽んじている」「蔑ろにしている」案件だと思うのだが、その義務は片務的なのだ。いくら腹の虫が治らなくとも、クレームを長々とやって相手の時間を奪い、相手の予定をダメにして、相手方の社会的信用を失うような迷惑や嫌がらせをして復讐するのは社会人としてかなり問題がある。そして私の会社での立場を危うくすることは家庭にも影響があるのだが、それをわかった上でなお懲罰感情を優先するのは性格が本当に悪い。「自分は傷つけられて1日が台無しになったのに、あなたは普通に予定通り仕事を全うできるのは許せない」と今日本音を白状していたが、自分が不利益を被ってでも、それを上回る不利益を相手に浴びせたい、という死なば諸共マインドが妻の心に深く根差している。私の足を引っ張り、押さえつけて、惨めな思いをさせたい。そのためだけに抜け道のない同じ話をエンドレスループする。そして私の予定がダメになったら途端に気持ちが追いつき収束のフェーズに入る。これが最近の流れ。やっていられない。

今日も私が司会をする予定だったオンラインワークショップの開始時間が迫り、LINEで同僚に事情を伝えて司会のバトンタッチを済ませ、開始時刻が過ぎるまで遅延行為に耐えた。そしてもう絶対に復帰できないタイミングにきて私が予定を完全に諦めた態度を示したら妻も満足したようだった。
私は引っかけのつもりで「ちょっと最近仕事に没頭しすぎていたかもしれない」と反省したふりをすると、妻はまんまと引っかかり、「あなたが仕事で活躍したところで家庭が崩壊したら何の意味もないのよ」と嬉々として嘯いた。妻は私が仕事で脚光を浴び、そっちに生活の重心が傾くこと自体を歓迎していない。私がずっと日陰者で、やりがいもなく、歯車として決まった仕事だけをやり、定時で帰ってくるような状態を未来永劫望んでいる。私がそうあることで、妻の過ごしたい日常には一切の摩擦が生じず、妻個人としては快適な生活が可能になるからだ。一定額は稼いでこい。しかし一定以上は家事育児に支障が出るから稼いでくるな。あんたが家庭をおろそかにして稼いでこようとする余分は私が稼ぐ。そうやって私を生かさず殺さず飼い慣らすつもりなのだ。
妻がなぜこれほどまでに私が社会で認められて抜きん出ることを嫌悪しているのか、本当によくわからない。男性という存在を憎み、その復讐心を晴らす矛先を私が一手に引き受けている気分。想像だけど、妻の母がされてきた仕打ちを幼心に焼き付けて、その仕返しを人生かけてやってるんだろなと思う。よほど九州男児は妻の心に深い傷を負わせてきたのだろう。その責任は九州が引き取っておくれよ。