un deux droit

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魔法の合言葉



俺は疲れているのかもしれない。


ティモンディ高岸が脳内に棲みついている。





「やれば、、、できる……!!!!」



幾度となく心が挫けそうになる時、必ずその笑顔を俺にくれる




尊い。





俺は彼のことを誤解していたし、誤解していた故に馬鹿にしてもいた。


苦しい局面で苦りきった表情を浮かべ、ピンチの際に狼狽えて、劣勢の時にネガティブな発言をするのは、ただ状況に動物的な反応を示しているだけだ。何の負荷もない。

そういった難局にこそ、笑顔を絶やさず、動じることなく、ポジティブな捉え方や発言を繰り返すことの何と難しいことか。

そしてその「難しい立ち振る舞いを徹底して継続できる人間」がチームにいるということが、いかに心強く頼もしく、励まされることか。




彼は根が脳天気なのではない。血の滲む努力を途方もない時間重ねて、あの揺るがぬ自己を確立するに至ったのだ。

そのことに思い至った時、彼のことをどうしようもなく愛おしく感じ、尊敬の念が止まず、自分もああなりたいと憧れの気持ちが湧き上がってきた。



明日は引っ越し当日。神経が張り詰めて火薬庫と化した妻に怯えることなく、明るく前向きな空気を維持できるよう頑張りたい。