un deux droit

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脳みそまではネコババできない

昨日は新規事業の旗開きに向けた重要顧客との打ち合わせ。6月のリリースに向け、いわば「試作品」の段階から自組織で「味見」をしてくれる貴重な存在で、実際に自組織で展開するならば、と想定した時の構想の抜け漏れについてフィードバックをいただく。

次回のMTまでの宿題が整理され、解散したのち、一緒に事業立ち上げを進めている同僚から不安な情報を入手。役員の1人が私たちの構想の模造品を別のパートナーと共同して立ち上げようと画策している、という話。実際に2月の役員の予定を見ると、パートナー企業の代表との面談に、会長と社長を同席させている。
彼と我々のプランの違いは、自前で生産するか、既に運営している企業との業務提携かの違い。役員のプランで行くと、パートナー企業の販売代理店みたいな形になり、仲介手数料で小銭稼ぎをするというせこい商売になる。自分たちが実現したい価値ではなく、パートナー企業の実現したい価値の具現化の促進ということで、顧客に届けるサービスは表面的には同じことかもしれないが、こちらの魂は何も入っていないことになる。品質の改善も方向性の修正もできない。そこの手綱をハナから握る気のない根性のなさに呆れている。
第一、役員は実際に購入する顧客とのコネクションがあるわけでもなく、そこは営業頼み。だが営業と密な関係を構築しているかというと寧ろ蛇蝎のごとく嫌われている。「この度業務提携したのでじゃんじゃん売ってこい」と号令をかけたところで誰も動かないだろう。彼に貢献したところで所詮、末端の役員。なんの論功行賞も与えられない。現会長の小判鮫として生息しているだけで実質的な権力は皆無である。既に営業には私のプランで一人一人に面談で情報共有して協力を取り付けて回っており、アイディアをもらったり、食指を伸ばしそうな顧客のアポイントへの同席などが進行している。もう既に「営業と一緒に作る商品」というところまで入り込んでいる。そこを今更二番煎じのプランを持ってきて、現場の意見も聞くことなく、上から「これを売ってこい」と押し付けて思い通りに現場が動くと見積もっているおめでたい頭が嘆かわしい。大コケするのが見たいのでしばし泳がせておく。

それにしても、現場から立案された新規事業計画のアイディアだけ拝借して、自らの手柄にしてしまおうとする浅ましさを恥じない神経が信じがたい。役員全員に公式な会議でプレゼンした事業だぞ。それを立案者外してさも自分が考えましたみたいなツラで立ち上げようだなんて厚顔無恥も甚だしい。そんなに現場に花を持たせるのが悔しいか。ならフリーハンドの権限があるのだから自分で考えてみなさいよ。それができる能力がないからアホ面下げて平社員の事業計画なんぞを「上申」されるハメになるのだ。仮に立ち上げまで金の力で強引に進めたとて、元々の発想のオリジナリティが本人にない中で、どういう価値基準を軸に運営していくつもりか。顧客からは間違いなくカスタマイズや追加の商材の開発を求められる事業だが、それに打ち返せるアイディアを捻り出せますか?そこまで頭が回らないからこそ、手柄をネコババできるという結論に至ったわけだけど。晩節を汚さず退任まで大人しくしていれば良いのに、無様な討ち死にへと全力疾走してゆく醜態を遠巻きに観察して、結果的に老害を「繰り上げ返済」できそうだなと冷え切った気持ちで過ごしている。