un deux droit

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黙らない権利

今日はオウンドメディアチームのミーティング。今期のふりかえりと来期の展望について、認識のすり合わせ。冒頭、部門長から社長からの伝言として「付き合いのあるネームバリューある人に原稿どんどん書いてもらって、それを有料コンテンツとして配信していこう」という人のふんどし任せの無責任な意向の発表がある。
あまりにアホくさくて、「そもそも自分達から発信したいメッセージや、問いかけたい問題提起がないのならメディア自体やめちまえ。というか、会社自体を畳んだ方がいい。収益はあくまで事業目的達成のための手段であるべきだろ。収益そのものが目的で、事業目的は後付けの、帳尻合わせの、間に合わせのものにすぎないとしか思ってないなら社長向いてないよ。」と、私は匙を投げた。
部門長は狼狽えながら「まぁ俺たちだけがちゃんとゴール見失ってなければいいじゃないか。いうことはごもっともだけど、いちいちめくじら立てないで上手くやろうぜ」とうやむやにしようとしてきたので、「いーや、違うね。自分達が業界・市場に発信したいメッセージは何か、そもそもメッセージがあるのかないのかについて、人それぞれでいいわけがないね。そこだけは絶対に上から下まで認識を揃えようと努力しなければならない。少なくとも上は完全に足並みが揃ってなければ現場はどこ見ていいかわからない。部門長の立場でトップの方向性のズレや発信意欲の怠慢を見過ごし妥協するならお前の存在価値ねーから」とムキになる。
そこまで言われると部門長も「俺の苦労がわかるのか」と頭に血が上った様子で自分がどれだけ社内調整に奔走しているか滔々と語り始める。「だからその調整が場合によっては無駄なんだって。八方美人じゃ何も前に進まない。自分より上の立場だったら間違ったこと言ってても諌めず最大限尊重するってことだろ?老害の戯言で現場を混乱さすな。自分の立場可愛さに何も言えねえんじゃ部門長の存在価値ねーよ」と一蹴。周囲がオドオドし始めたので、「とりあえずやることは引き続きやるけど俺の今言ったこと忘れんなよ」と釘を刺す。
なんだかどうしても虫の居所が悪い。部門長とは同期の気やすさがあってなんでも言いたい放題言ってしまうが、まぁ酷なことは言っているとは思う。給料分働けと言ったとて、せいぜい300万くらいしか違わないし。向こうは奥さん専業主婦で子ども3人抱えて都心に住んでるんだもんなぁ。言えるもんも言えないよなぁ。こっちは妻もフルタイムで地方暮らしで子ども2人。世帯収入も可処分所得も圧倒的に好条件。役なしだから怖いもんなしで言いたい放題。いじめて悪かったよ。
側から見たら万年ヒラ社員の私と出世頭の彼なら彼の方が輝かしく見えるだろう。でも手足を縛られ口も塞がれ自分固有の思考を禁じられている彼の生活を幸福だと羨むのは難しい。人間は考える葦なのだから、どれほど青臭いと思われようとも飽くなき理想を追求して生を全うしたいものよ。