un deux droit

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手応えは雪のように軽く

今年最後の大仕事が終わった。ある会社の中期ビジョンを策定するワークショップ。プロジェクトメンバーと1年かけて何度もワークショップを行い、本日ついに完成した。

終了後の懇親会もそこそこ盛り上がり、「一緒にやってくれなかったらここまでの完成度にはならなかった」と感謝やねぎらいの言葉をいただいたが、いざ解散して一人になるとどうしょうもなく孤独を感じる。どこまで行ってもコンサルの私は他所の人で、あと数日もしたらプロジェクトメンバーの記憶からは抹消されて、二度と思い出されない存在となる。プロジェクトメンバーは私と一緒に作り上げたビジョンを引っ提げて、同じ宇宙船のクルー仲間としてよろしくやっていく。私は打ち上げの際早々に切り離されるブースターみたいなもんだ。自分も一緒に宇宙船の内側からまだ見ぬ世界を共に歩んで行きたかったな。できたビジョンが素敵であればあるほど寂寥感が増していく。

必死こいて作ったカリキュラムも、社内で共有されれば他のコンサルタントに食い散らかされ、自分のクレジットは残らずに、自分よりべシャリのうまいやつが我が物顔で披露するワークショップのパーツとなる運命だ。私は最初の一回を作る事ができるが、それを何度も焼き増しする意欲が持続しない。一から考えられなくても人のアイディアを拝借して無限にコピペできる体力のあるやつが光を浴び続ける。

自分の創作物でなく、自分そのものに関心を持ち、一緒に仕事をしたい思ってくれる人に出会えた人って幸運だと思う。もしかしたら、そんな人は誰にとってもいないのかもしれない。それでも私は諦め悪くその幻を追いかけて、また来年も賽の河原で小石を積み上げていく。