un deux droit

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苦手な顔

先週の平日3日間、後輩の女性が福岡に出張で来ていた。普段は一人で仕事をしているので、来訪者の存在は基本的にありがたい。けれどもなぜか彼女とは、同じ空間にいるとなんとも居心地が悪い。

彼女はコミュニケーション能力が高く、私にない感性やひらめきをもっている。顧客からの人気もピカイチだ。そんなところを魅力に感じていた私は、新規事業の発足メンバーとして彼女をスカウトしたし、今回の出張も、難易度の高い研修のスーパーサブとしてわざわざ頼み込んだものでもある。

それなのに、なぜか彼女とサシでフリートークをする局面になると、なぜか調子が出ない。彼女の問いかけに対する気の利いた返しがスルスルと出てこない。逆にこちらから振る話も彼女の芯を食ったボールを投げられない。ずーっとビミョーに音程のズレた歌を歌っているような気持ち悪さ。外れてるのはわかっているが正しいキーが見つからない。

原因はなんだろう、と自分の胸に問うと、何のことはない、顔が好みでないというだけの話だった。清々しいほどのルッキズム。生理的に受け付けない顔というものがどうしてもある。ずっと直視していると辛くなってくるのだ。

その女性が不細工だということではない。男をとっかえひっかえしていることからも、むしろ彼女の容姿を好みとする男性の方が多いということは彼女の名誉のために言っておく(名誉毀損)。このご時世に顔の好悪でコミュニケーションの質が左右されることを恥じる気持ちもあるし、顔の好悪に関わらず能力の高さのみを評価し仕事のパートナーに抜擢する公平性を持っていることを誇る気持ちにもなる。ただ自分の本心に気づいてしまった今となっては、あと半年間一緒のプロジェクトで密にコンタクトを取り続けなければならない事実に、ただただ気が重い。

最終日、彼女が福岡空港へ向かう前に、プロジェクトへの貢献をねぎらおうとランチを奢った。破れかぶれな気持ちになっていたので、いい加減に一品料理を頼みまくって二人で6000円を使った。奢る金額の高さは気のおけなさと反比例することを知った。