un deux droit

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社内起業か、もしくは社内失業

専務に呼び出され、来期からR&D部門の長を任せるというオファーがあった。しかしR&D部門自体は解体され「機能」だけが残る。その「機能」の部分を専属で担う、というのがオファーの中身。今期の構成メンバーはそれぞれ別の部門に吸収され、研究の役割は兼務となる。研究って一人でやるもんじゃないでしょ。もうその時点で破綻している申し出に私の行く末がホワイト・アウトする。まるで事故物件の空き家に一人で住まわされるような気分である。

事の発端は勝手に新規事業を初めてそれなりに顧客が付き、採算がとれる見通しが立ってしまったせいである。何かしらの枠組みを私に与えなければ会社として公式に進める事業として体裁が悪い。しかしできるだけコストをかけたくない。その思惑の折衷として一人研究所というソリューションが提示されたのだ。その箱の中で新規事業を存分に進めたら良いとのこと。

等級も給料も目標も資源も権限も何一つ示されず、なんの効力も持たない肩書だけを背負い、明日から引続き頑張る。自分から動かなければ何もはじまらない。何がやりたくて、そのために必要なものは何で、それがいつまでに欲しいのか。誰のお膳立ても受けず、淡々と説得し、賛同者を草の根で増やしていくことしか私にできることはない。ただ待ちの姿勢で口を明けていても、自動的に事態が好転することはないのだから。