un deux droit

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四六時中も好きと言ってやるかよ

昨日は専務が福岡に来た。ここ数年、この時期にわざわざ私と話すためだけにやってくる。いつも3時間ほど話し込んで帰るのだが、その会談があったことによって会社の方向性に大きく影響があったとか、自分の待遇が改善したとか、そういう恩恵は特になかった。なので、なんのためにやっているのはよくわからないでいる。もしかすると、本当は放っておけば待遇が悪化する可能性があったのに、面談のおかげで待遇が据え置きで済んでいるのかもしれないが、そんな恩着せがましい背景があるのならそう言ってほしいし、そんなに自分の立場が脆弱な環境にあるのなら、この先がないのでさっさと辞めてしまった方が身のためだろう。

とりあえず、来るものは来てしまうので、せっかくの機会ということで言いたいことや聞きたいことをまとめてぶつけてきた。とりあえず伝えることは伝え、ボールを預ける。それを打ち捨てる責任を専務に負わせる。自分で抱え込んでおいていいことはないのだから。


とはいえ、私はいま、働く環境に何を求めているだろう。やりたくないことはやらないで済んでいるし、やりたいことはやらせてもらっている。新規事業を半ば強引に立ち上げ既成事実化させてもらっているし、広報ではほぼノーチェックで自分の言いたいことを好き放題発信させてもらっている。日常の監視もないので就業時間の拘束もほとんどない。薄給ではあると思うが、ほぼ働いている感覚もないので割には合っていると思う。

時間はかけていないが、自分が担っている役割は、もう少し高いお給料や役職をもらってもいいのだろうか。対外的には新規事業の事業部長だし、広報紙の編集長を名乗っている。自分の感覚としては遊びの延長線だけど、社内に自分と同等の役割を果たせる能力のいる人間はいないとは思う。希少性はある。しかしなぜか重要ではないのだ。

新規事業というのは本来将来の屋台骨を担う可能性を秘めた重要な試みだし、メディアというのは企業のブランディングのうえで欠かせない機能だ。その両方の責任と権限を、なぜか平社員の私が握っている。マーケティングとブランディングの優先順位がこんなに低い会社というのはほとんどないと思う。その点を詰めてみたのだが、芳しい答えは帰ってこず。かわりに、「覚悟」とか「姿勢」のことをゴニョゴニョと言われた。

専務の言いたかったことを要約すると、経営陣にもっと媚を売れ、ということなのだろう。頼まれてもいないのに残業したり、東京に来いと言われたら素直に行ったり、自分のやっている事業以外にも積極的に貢献したり、日頃からの感謝を伝えたり。成果の質より忠誠心。経営陣がここにこだわっている限りは、私もこれ以上なにかを捧げるつもりはない。成果の質を評価しない限り、会社の未来はない。ここは我慢比べだな。せいぜい楽しくサボるとするよ。