un deux droit

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人を選ぶ側になってはじめてわかったこと

今週は慣れない仕事を連続して続けたため、すっかり疲弊してしまった。ブログを書ききる前に寝落ちする日々。普段いかに楽して働いていたかよくわかる。労働したー。

何をしたかというと面接官。自分が始めた新規事業で業務委託する個人事業主を選考した。その数ざっと20名ほど。そのペースで面談が再来週まで残っている。

働いてもらった分だけ報酬を支払う形になるので、雇用契約とは違ってランニングコストの心配はない。とはいえ会社の看板を背負って仕事してもらうことになるので、この人にお任せして大丈夫か、と見極めるのにものすごく神経を使ったようだ。

自分の新卒採用の時は、ろくに準備もせず、当然採用するよね、といったなめくさった態度でことごとく不採用のお祈りをかき集めてきた私だが、自分が選ぶ側に回るとこんなに不寛容になるとは思わなかった。

自分が思いと時間をかけて形にしてきた事業だから、絶対成功させたい。だからタッグを組むパートナーにはどうしても注文が多くなる。

ただ学歴や経験だけでは選べない。難しいミッションを一緒に乗り越える時に、率直にものを言えるだろうかとか、つまらないことで臍を曲げないだろうか、とか、お客さんを怒らせないだろうか、とか、人となりをじろじろと品定めしてしまう。

選ばれる側にいた時は、「事業に対する関心」とか、「どのように貢献したいか」とか、働いてみないとわからんだろそんなもん、想像で妄想した話なんてピントがズレたものが量産されるに決まっている、そんなことを聞くなんて馬鹿げていると思っていたのに、選ぶ側に回った途端にめちゃくちゃ「事業に対しての関心」を聞きまくっている。もうこれはほんと情けない限りだ。しみったれた様子で「ねぇ、私のどこが好きなの?何が気に入っているの?ねぇねえ」と粘着質に絡み、自分が言ってほしい褒められ方を求めて口をパクパクしている。浅ましくて愚かしいと我ながら思うけれど、それくらい事業に対しての「自己愛」が極限に達しているのだ。

それでいて面白いことに、ちゃんと「芯を食った」応答をしてくれる人が一定数いることに驚かされる。そんな人に出会うと「なぜ創業メンバーでもないのに、長い時間をかけて練り上げたこの事業のキモを見抜けるの…!!ステキ…!!」と嬉しくなって惚れ込んでしまう。しかも相手方は特段万全の準備をして来たという様子もなく、もともとのセンスが近い、波長が合うという感じなのだ。逆に、経歴華やか、洗練されていてどこからも引き手あまた、という感じの人をお断りもした。これが「就職と結婚は似てる」というやつか。私は仕事生活も家庭生活も困難に見舞われまくっているのだが、この序盤のミスマッチを開始したせいなのだなと今更気づく。

就職も結婚も成就を望んでいながら叶わない状態が続くのは苦しいことだけれども、安易に妥協せず、肌に合う相手に出会えるまで探し続けることも大事だ。誰とも結婚できる人も、誰とも結婚できない人もいない。