un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

It's not my businessの成れの果て

ここ最近、仕事をしていて空しさを感じる日が続いている。

本社が東京の会社に所属しながら独り福岡で働いているのは、とても気楽で自由な反面、誰からも無視されているような錯覚に陥るのだ。

勤め先はいつまでも辞めない老害と化した経営陣が、誰からのニーズも掬えていない的はずれな事業を暴走させ、回収できない無駄金を垂れ流し続けている。

私はそのことを馬鹿馬鹿しいと思いながらも、自分の立場でできることはないと悟り、自分の手掛ける新規事業にだけ集中しようと割り切った。

すると、次第に私と同じように、会社の施策は無視して、自分の仕事にだけコミットする従業員が続発した。

そうして会社の施策だけでなく、従業員同士が互いの仕事にも無関心な会社になった。

そうすると今度は私の新規事業も行き詰まる。営業部門の協力が鈍くなる。営業は会社施策で推している食材よりも自分が売りやすい、自分が価値を感じている商材だけを取り扱う。

その態度は、まさに私が去年まで営業専業でやっていたときのそれと全く同じである。それ故、その態度を批判する資格は私にはない。

新規事業の魅力を高めれば営業が動くかと言えばそんなことはない。完全に冷温停止した営業部隊は、新しいものに対してその善し悪しを吟味するという機能自体を失っている。新しいというだけで考慮外。現段階で既知のものの組み合わせだけで商談を完結する。新しい知識の習得を要する仕事は初めからやらない。まあ要するに詰んでるわけです。

私の立場からすると、営業が醒めきったのは会社が現場の声も聞かず新規事業をゴリ押ししたからで、私の新規事業は違うと言いたいが、醒めきった営業からすればどちらも面倒ごとの一つに過ぎないのだろう。その冷酷な現実がどうしようもなく空しい。

自分が営業のときは価値を感じない事業を無視していたわけだけど、無視される側の辛さもある。相互に不干渉で不感症になった私たちは、みんなで力を合わせて一つのことを成し遂げる、ということはこの会社ではもはや不可能になったのだろう。そんな状態でいつまでこの会社は存続できるんだろう。