un deux droit

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つべこべ言わずに、若者にいい思いさせてやろうぜ

Xでこんなポストが共有された。なるほどなるほど、子育て世代の経済支援と出生率には因果関係がないと。これはこれでとても興味深い分析だと思う。

この研究結果を悪用して、子育て世代に経済支援しても意味はない、っていう論調にしたくなる奴らがでてくるんだろうな。そもそも子ども云々と関係なく、賃金は上げるべきですけどね。賃金単品で、おかしいだろって言っていい。そういう意味では子どもをダシにお金をゆする、みたいな方策でなくて、真正面から文句言ったほうがいいという意味で問題がシンプルになった。そもそも、子どもをよりたくさん産ませる魂胆で給料上げようか、なんて考えてる時点でやましい。なんの交換条件もなしに、もっと給料は高くて良いんだよ。

少子化対策の話でいつも違和感を覚えるのが、子どもの頭数だけ増えればそれでいいのか?っていうこと。生まれてくる子どもたちが幸福に生活できてこそ生まれてくる意義がある。不幸な人生しか用意できないなら、生まれてこないほうがマシだろう。

何が幸せかというのは定義が難しいが、単純な指標として「貧困でない」というものを尺度にして少し考えてみる。日本の子どもの貧困率は11%らしい。計算対象の18歳未満の総数は約1500万人ということで、÷18で1歳あたり83万人。そのうち貧困でない割合が89%と考えると74万人。この74万人という数字が、現代の日本社会が貧困にさせずに受け入れられる新生児の1年あたりのキャパシティと言える。

さて、2023年の出生数を調べてみると、75万人。おお、現代日本人、肌感覚で社会のキャパわかってんじゃん。計算は適当だけど、大外れしていない気がする。社会構造や価値観、国家予算の配分を変えずに、子どもだけ無理矢理に増やそうとしたってこれ以上は貧困な子どもが増えるだけということだ。

貧困を味わわずに暮らせる人間の総数を社会全体で増やしていきたい。それは算盤勘定とは別に、それを目指すのが社会のあるべき姿だからだ。そのキャパシティが増えれば、結果として子どもの数の減少は緩やかになることがあるかもしれないが、それを目的にしちゃいけない。若者を子どもを増やす手段としてしかみなさないその思考こそが、子どもの貧困率の上昇に対する鈍感さと通底しているからだ。

ぐだぐだ書いたが、シンプルに、若い人たちに幸せになってもらえると俺達も嬉しいよ、って上の世代が素直に思えたら、もっといい社会になると思うよ。