un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

根性論で乗り切る長期ローン

住居購入によって4000万級のローンを背負うことがほぼ確定。
10年以上前に↓の記事を読んでいたのに、結局30年強のローンを選択する羽目に。
chikirin.hatenablog.com

ちきりん氏の話は理屈としては分かるが、実際に家庭を持ってみると、絵に描いた餅だなと思う。
10年以上のローンを組まなくて済むくらいの手元資金を確保できる人には、実は住居購入需要がない。
それだけ稼げるということは、能力は前提としても仕事に没頭できる環境がある。となるとおそらく独身orDINKSで、したがって居住スペースはさほど必要ない。
価値観にもよるけれど、その時々の仕事や気分に応じて賃貸を住み替えていった方が生活の満足度は高いように思う。

結局一軒家を必要とするのは子育て世代だ。しかし、2LDK以上となると賃貸の選択肢はぐっと少なくなるため、マンションにせよ戸建てにせよ、おのずと住居購入のほうに流されていく。
しかし子育て世代は出ていく出費も多く、育児で仕事のセーブが必要となるため潤沢な実入りも確保しずらい。
じゃあしっかりお金貯めてから子ども作れば、となると妊娠適齢期を逃して不妊治療という別の罰ゲームが待っている。

結局、手元資金の若い年齢こそが子育てに向いていて、住宅需要もあるということなのだ。
ということで長期ローンは不可避、というお話になる。
これを計画性がないと非難、揶揄するのは勝手だけど、みんながちきりん氏みたいな賢さと計画性を持ったら誰も子どもを産まなくなるだろう。
私含め、大多数の無計画で思慮の浅いカップルのおかげで社会が存続していることに感謝してほしいくらいだ。馬鹿でいてくれてありがとう、と。

ちなみにちきりん氏のエントリのころと比べて、金利はかなり下がっており(私たち夫婦だと0.5%くらい)、銀行に持っていかれる利益はかなり減っている。
30年分前借させてもらうには妥当な利子総額かな、、、と自分を納得させてはいる。

近隣住民とのトラブルの可能性については、結局賃貸でもついて回る。子育て世代は騒音関係で、賃貸でこそトラブルが多い。賃貸だと入退去も多いので急に変な輩が隣に引っ越してくる可能性もある。そして賃貸だからといって隣とトラブったから急に引っ越すという身軽さを発揮できるわけでもない。
それだったらうまくやっていける土地を慎重に選んで定住した方が、一度近隣関係を作ってしまえばメンテナンスだけになる、とも言える。

最後に自然災害への脆弱性だが、これはもうちゃんといい土地にいい家を建てるに限る…。賃貸もよほど高い家賃を払わなければ防御力もそこそこ。賃貸だから安全というわけでもないし、都合が悪くなったら急に引っ越せるわけでもないのは自然災害でも同じ。あとは天に祈るしかない。

(余談だが、家を検討しはじめて気づいた違いは、賃貸と戸建て(分譲マンション)では使っている部材や設備の質が全く違うなということ。
賃貸だと新築でも所詮賃貸用の設備。戸建てとはグレードが根本的に異なる。これは物件購入ならではの贅沢)

と、いろいろと書き連ねながらもふらふらと肚を決めかねている私をよそに、妻は長期ローンについてもう覚悟を決めている。
妻が主たる稼ぎ手ということもあるが、四の五の言わずに稼いでいくしかないだろう、だめなら自己破産でも生活保護でも使って生きていくしかない、とまでのたまっている。人生の底を見つめて、最悪それでもやっていける、という胆の据わり方が任侠に思えてならない。妻のこれまでの人生に私の知らない影を感じる。