un deux droit

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北海道民でも共感されないかもしれない郷土料理

今年も例年通り、お盆の実家への帰省はしなかった私ですが、死ぬまでにもう一度食べたい地元の食材、料理があるので書き記したいと思います。

第5位 ラムしゃぶ

認知度の低さ ★
レアリティ  ★
美味しさ   ★★

北海道といえばジンギスカン、ということで羊肉を食べる文化があることは認知されてきていると思う。しかし、それはあくまで焼肉のシーンで登場するだけで、他の食し方はしないと、道外の人には思われているのではないだろうか。実はしゃぶしゃぶにもするんです。

子どもの頃からしゃぶしゃぶといえばラム肉だった。今となってはそれが美味しかったのかどうかはよくわからない。しかし初めて豚しゃぶを食べた時の感動がもの凄かったので、きっと豚のほうが美味しいのだと思う。ただ、そのことを再確認するためだけに一度は食べたい。

ちなみに牛しゃぶは一度も食べたことがない。牛はすき焼きでいいでしょ。しゃぶしゃぶは豚だよ豚。

第4位 タモギ茸のみそ汁

認知度の低さ ★★
レアリティ  ★
美味しさ   ★★★

タモギ茸という黄色いキノコの存在をご存知だろうか。公園の木とかに普通に生えていて、それを引っこ抜いて家に持ち帰っていた。これが味噌汁にすると抜群に美味い。スーパーで流通しているのを見たことがないので、寒い地域にしか生えていないのじゃないかな。メジャーなキノコで食感とか香りが一番近いのは舞茸かな。タモギのみそ汁が食べたいときは舞茸で代用して気持ちを鎮めている。炊き込みご飯も◎。
落葉(ラクヨウ)キノコという、どこかスッキリしない名前のキノコも北海道ではメジャー。ヌメヌメした食感が特徴。だがなめこでいいと思う。

第3位 アイヌネギの卵とじ

認知度の低さ ★★★
レアリティ  ★★
美味しさ   ★★★

名前にもう「アイヌ」って入っちゃってるくらいなので北海道の名産だよね。道外だと行者にんにくと呼ばれているらしい。こちらも親の山菜採りについて行ってよく収穫していた。見た目の紛らわしい毒草が多いらしいことを大人になって知った。子どもになんてことさせとるんじゃい。
これは卵とじにするともうたまらなく美味い。味や香りはニラに近い。食感はホウレンソウ。あのニラの味わいが、ほうれん草のフカフカ感、ジューシーさを伴って口いっぱいに広げる幸せは病みつき間違いなし。

第2位 コクワ

認知度の低さ ★★★★
レアリティ  ★★★
美味しさ   ★★★★

急にマニアック度が増して来ました。もうこれはただの野生の木の実というか果物ですね。父親が舗装されていない原生林に入り込んで、収穫してきてくれた。見た目は小さいキウイみたいな感じなんだけど、甘みの芳醇さが段違い。完全にキウイの上位互換。調子に乗って食べすぎると舌が痺れてくるので注意。これは父親が死んだらもう食べる機会ないだろな。
ちなみに実家の庭にオンコの実がなっていたのでこれもよく食べてたんだけど、果実以外有毒なことを今更知る。味は比較的淡白で、毒の有りそうな感じはしなかったんだけどなぁ。

第1位 鴨鍋(のおじや)

認知度の低さ ★
レアリティ  ★★★★★
美味しさ   ★★★★★★★★★★(カンスト

父親が死んだら食べる機会なくなるシリーズPart.2。ジビエきました。父親が狩猟免許を持っており、猟の解禁される11月頃から早朝に川へカヌーを浮かべて、何羽か仕留めてくる。今思うとうちの父ワイルドすぎるな。一度、猟に同行したことがあって、一緒のカヌーに乗ったのだが、至近距離で銃声を聞いて鼓膜が破けるかと思い、それ以降二度と猟にはついていかなかった。父親が比較的若いうちから耳が遠かったのは狩猟のせいだと思う。
まぁそんなわけで、あんどう家では鹿肉の刺し身とか鴨肉の炭火焼きとかがコンスタントに食卓を飾るエキセントリックな家だった。地元でもそんな家ほとんど皆無だったので、北海道の文化でもなんでもない。ただ原産地が北海道というだけ。
朝引きの真鴨の美味しさを知ったら合鴨なんて食べれたもんじゃない(食べるけど。もう別の食材)。真鴨料理もこれまで飲食店で何度か食べてみたことはあるが、実家で出された鴨肉には到底及ばなかった。
そんな鴨肉の旨味を一番贅沢に味わえるのが鴨鍋。鴨の骨でダシを取る。最強の鶏ガラスープ。後は醤油、砂糖、料理酒くらいのシンプルな味付けだったと思う。このスープで炊いたごぼうや白ネギの旨さよ。一度、下仁田ネギを取り寄せて鴨鍋をしたら卒倒しそうになった。カモネギの極限の姿をそこに見た。どんな食材でも、世界でこれが一番美味い、と自信を持って言えるものに出会えることはほぼないと思う。私は鴨に関してはその経験をすることができた。たった一つでもそう言える物があるって幸福なことだと思う。
鍋ももちろん旨いが、最後のおじやがもう堪らんのですよ。具材が旨すぎてもうそれだけでお腹いっぱいにしたいのに、でもソレを遥かに上回るごちそうが後に控えている、というジレンマにいつも襲われていた。結局、満腹になってしまったあと、苦しみながら至高のおじやに酔いしれる羽目にはなるのだが。あー父親が猟に出なくなる前に、必ず一度帰らないとな。
ちなみに、モノホンのジビエを食べると、夜、体がぽかぽかに暖まってきます。生命エネルギーを頂いたなーっていう感謝の気持ちが湧き出てくる。


今週のお題「これって私の地元だけですか」