un deux droit

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こどもおじさんの需要

今日は小学校の親子除草作業の日。任意参加で平日の10時集合にも関わらず、およそ半数近くの親御さんが参加していた。関心関心。
周囲の家族が地表の草むしりを軍手、あるいはスコップで和気あいあいと楽しむ中で、私は妻に携帯を命じられた、シリアルキラーが好んて使いそうな三日月型の鎌をカバンから取り出して、地べたに這いつくばった強敵の雑草共を片っ端から根こそぎ掘り起こしていった。ガチ勢(単騎)。畑でも耕すかのごとく土を起こしていく。私が大物の草を退治し、禍々しい根っこの全容が顕わになる度に周囲の小学生が歓声を挙げる。まさかここまで掘られると思っていなかった虫たちが住処を追われてどんどん出てくる。それにまた子どもたちが夢中になる。学校行事の草むしり程度に本気になる人間などほとんどいないのだろうが、どうせ時間を使うならとことんやり尽くしたいタイプ。性根が幼稚。小学一年生より幼稚。来年まで草一本も生えないくらいに亡き者にしてやった。相当ストレスが溜まっていたんだと思う。

雑草とのアルティメット・ファイナル・ウォーに命を燃やしながらもそれとなく長女の様子を伺う。最近学校がつまらないとよくこぼすので、クラスに馴染めてないのかなと心配していたが、クラスの女子達の中心として構われまくっていた。ちやほやされてるんじゃねーか贅沢者め。ボッチの私と違って長女は昔から友だちが多い。取り立てて可愛いわけでも面白いわけでもないのだが、いつも女子たちの取り合いになっている。今までは不思議なこともあるもんだ、と思っていたが、今日少し合点の行く出来事があった。草むしりを終えて、子どもたちが教室に帰るとき、長女が抱っこをせがんだ。はいはい、といつもの通りしばらく抱っこしてやると、同じクラスの女子たちがこちらの様子をずっと凝視していた。あ、なるほど。こうやって平日でも関係なく子供のために出張ってくる父親が羨ましいのだな。そういえばお迎えもほとんど行っているから学童に通う子どもたちならだいたい名前もわかる。きっとそういう父親が珍しく、そういう父を持つ長女は小学1年生からしたら憧れなのかもしれない。ただ父親というだけならポツポツといるけれど、こうやって子どもたちの輪のど真ん中で子どもたちと同じ精神年齢で気安く話しかけられる威厳のない大人となると希少だ。ポケモンもだいたい分かるし。仕方がないのだ。こうやって精神的に大人になりそこねたこどもおじさんは、我が子と並走して精神を成熟させていくしか無いのだから。同級生たちよこれからもよろしく頼むぞ。