un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

ベッドタウンの図書館にて


今日は用事があって、隣町まで足を運んだ。一軒家に引っ越すまで住んでいた隣町。用事が終わり、夕飯まで少し半端な時間が余ったので、かつては毎週のように通っていた図書館へ久々に行こうという話になった。

冒頭の写真は、新刊コーナーで本日入手した戦利品。こんなんがごろごろと誰にも手つかずで野ざらしになっているなんてなんと贅沢なことよ。ここの図書館の仕入れ担当は左右どっちもバランスよく仕入れていて、でも市民はおそらく右巻きの方が多いようで、私にとっては宝の山である。

いや、絵本なんかもかなりいい筋のものが借り放題だったので、ここの市民は読書習慣に乏しいのかもしれない。そこそこの規模の街だから本を買う予算はかなり潤沢にあり、かつ市民の教育への熱心度は低い、という間隙をついたベストミックス。ちなみに東野圭吾とか湊かなえみたいな小説家の新刊は予約が殺到して読めるようになるのは百年後である。まぁそんな街。

対して新居のある街の図書館は新刊が少なく、ラインナップも面白味がない。教育熱心な街を謳っているので、本というものは基本的に買うものだというお考えなのかもしれない。そのくせ鬼滅の刃とか貸し出してるんだよな。なんかコンセプトがぶれてるし、自分の好みと合わない。



本を買うか図書館で済ますか論争(そんなもの自体がもう現代日本には廃れてしまったのかもだけど)は、一軒家VS賃貸論争の不毛さに似ている。読みたい本が読みたいときに借りられるなら借りる生活を選びたい人は多いはず。でも、自分の読みたい本が借りられずにおいてあるなんて夢のような環境が叶わないから、大半の場合購入を選ぶのだ。私はそんな都合の良い図書館に出会えたのだから、運営方針が変わったり、潰れたりしない間はありがたく恩恵を受けておくに限る。

もっとも積読や収集が趣味の人は図書館という機能とは相容れない人生なのかもしれない。それこそ絶版になって入手不可能、みたいな領域を趣味にしている場合とかは我が家を図書館にするしかないのだろう。少なくとも自分は、一度読んだ本を読み返す習慣がない。どうせ人生で読める冊数などたかが知れているのだから、少しでも多く、まだ読んだことのないものを手に取りたい。仮にどうしてももう一度読みたくなった物があれば、その時図書館に行けばだいたい置いてある。書棚の管理を外注していると思えばこれほど便利な公共サービスはないなという感じ。

以前は歩いて10分、今なら車で10分。頻繁に通うのはやや億劫だけど、ぎりぎり普段遣いできなくはない程度の距離。図書館通いが再開しそうな予感がしている。


今週のお題「読みたい本」