un deux droit

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運命の人と普通の生活

ちょっと遅れ気味だけど、クリスマスツリー飾りを終わらせる。せっかく一軒家にしたので、一軒家らしいことをして楽しむ。妻は園芸を始めたし、長女もじきに友達を連れてくるだろう。ザ・普通の家族。取り立ててなんの特徴もない、どこにでもいそうな量産型ファミリーの一員に私もなった。思ったよりも退屈で、思ったよりも実現も維持も大変な「中流」家庭のぬるま湯のような幸せに浸っている。

子どもがいるとほとんど自由な時間がない。休みがないのは当たり前、平日も就業時間を平気で無視するイベントがボディーブローのように襲いかかる。ドラマを見たり本を読むのは23時~6時で翌日の自分のパフォーマンスと交換条件。条件が合わず辞退する仕事、クオリティにこだわれない仕事多数。人ひとりの人生としてこれで不満を覚えて良いのか、当然のこととして満足を覚えるべきなのか、どうにも割り切れない気持ちを持つ。

家族を持たない代わりに使える時間が存分にあったとて、アウトプットの質が高まる保証もない。その分存分にインプットてきるから打率は上がる。しかし10割ではない。制約のない人に対する目線は厳しい。パフォーマンスしか自分を説明する拠り所がないのだから。いつでも死と忘却が隣り合わせの栄光。子どもがいない人の多くに感じる余裕のなさや冷淡さ、自分本位はそういう後ろ盾のなさから来ているのかもしれない。


かつて、今の妻とは別に結婚を約束した女性がいる。 

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