un deux droit

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「最初からそう言えばいいじゃん」

妻の口癖の中で、私が最も嫌いな言い回し。

飛び出すのは決まって、私の発言が妻にとって意味不明瞭だったとき。追加で説明を加えたり、別の言い方に変えてみたりして、妻の理解が及んでめでたしめでたし、となったところで必ず一撃を加えてくる。

私だけにやっているのかと思いきや、自分の母にも娘にもやっているので、対家族向けの口癖なのだろう。


彼女の言い草は、自分の読解力のなさの可能性を棚上げして、発話者に全責任をなすりつける行為だ。「最初からそう言えばいいのに」をより詳しく展開すると、「お前には言い方の選択肢が複数あり、私にとってわかりやすい方の選択肢も明らかに存在したのに、わざとわかりにくい方を選択した」という意味になる。その選択肢が発話の段階で見えてなかったから、妻の好みの言い回しで表現できなかったわけで、不可能なことを要求している。「最初からそう聞き取ればいいのに」なんて言い方が成立しないのと同様だ。だから妻は本当にできたというクレームが言いたいのではなく、ただマウントしたいだけなのだ。

逆に妻の話に対して「最初からそう言えばいいのに」なんて苦言を言ったら絶対キレるはずだ。お前の理解力がないのを棚に上げるなと。

妻との会話は、妻が勝つということだけがあらかじめ決まっているじゃんけんのようだ。「私がチョキ出すのわかってたやん。なんではじめからパー出しておかんのさ」私は予知能力者かタイムトラベラーかなん?