un deux droit

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僕らはみんな 発達に障害を抱えている

先日より、妻から「お前はアスペだから精神科にでも行って治してもらってこい」と言われ続けてきた。その訴えに対して具体的な行動で示さないでいると「私との関係を改善しようと真面目に考えていない」と妻の怒りが増幅するので、私が発達障害かどうかを客観的に診断してもらい、私の抱える「認知の歪み」を克服するべく、心療内科を探すことにした。

まず、福岡で大人の発達障害を取り扱っている心療内科をGoogle検索してみる。すると、レビューの平均が軒並み星2〜3程度なのに驚かされる。心が不安定な人が通院し、レビューを書くのだからどうしても荒れがちになるのだろう。「医師の態度が冷たい・横柄」「親身になってくれない」「カルテばかり見てこっちを見ない」「とにかく薬ばかり出せばいいと思っている」…そんか否定的な口コミの数々を読んでいるだけで、それこそ精神がおかしくなりうつ病になりそうだ。先生達はすごい仕事をしていると感心してしまう。

いずれにしても、口コミを頼りに医療機関を探していても埒が明かないので、公式のウェブサイトを当たることにした。サイトに記載された治療方針や専門性の高さを見て、ここなら大丈夫そうだという病院を1件絞り込み、電話をかけた。ほどなくして、落ち着いた声の女性が応対してくれた。「検査をし、発達障害だと確定したら、そのあとのコミュニケーション改善のためのカウンセリングを受けたい」と希望を伝えると、カウンセラーにつなぎます、との返事。しばらく待つと、カウンセラーの方が出て「この相談内容だと対応しかねる」という回答があった。

カウンセラーいわく、受診者がうつ症状など具体的な不具合を自覚していない場合、治療行為が行えないとのこと。検査だけがしたいなら大学病院などに行くしかない。

以下、カウンセラーとの問答の再現。

「あなた自身が生きづらさを感じているわけではないんですよね?」

「はい、妻との関係でだけ問題が生じています」

「大人の発達障害の場合、一般的にどの人間関係においてもトラブルを起こしたり辛い思いを感じたりしています。奥様とだけ、ということはあまり考えられません。子どもの発達障害ならば行動を見れば判定できますが、大人の場合は問診で明らかにするしかありません。つまり、本人自己申告に依存する形になります。したがってあなたの自覚症状がない場合は発達障害である、という検査結果が出ることはありません」

「なるほど」

「それに奥様からの一方的な断定の話ばかりですが、奥様自体はどうなんですか?中立的に見て奥様に何ら問題ないという前提で話を進めることに無理があると感じていますが。よくこういう電話来るんですよ、奥様から発達障害かどうか検査してこいと言われましたって。」
「仰るとおりです、しかし妻に病院へ行かせることは不可能に近いです。まずは私から受診して、シロであるということを確定してからでないと埒が明かないと思って相談しています。」

「私の立場から言えることは、発達障害じゃないと言い切れる人はこの世に一人もいない、ということです。誰しも何かしらの一般的でない性質を保有しています。その性質のトラブルが夫婦間の問題にとどまっているのならば、その程度の平均からの逸脱ということです。私は仲裁者ではないのでこれ以上は踏み込めませんが、夫婦カウンセラーに相談して双方の考え方、感じ方を客観的に棚卸ししてもらうことをおすすめします」

ぐうの音も出ないほど理路整然とした分析に感動を覚える。これ電話口で済ませちゃったけど、お金払いたいレベルの「問診」だった。本当にメンタルやられたらこの病院に通おう。

妻に上記やり取りを率直にフィードバックすると、虫の居所が良かったのか、そりゃそうかという反応。そして、サラリとこんな話を打ち明けられる。

「まぁ私も性格がそんなにいいわけでもないからね。昔会社入るときのパーソナリティ診断で黄色信号出てたし。共感性のなさとか。社長が『なんか変だなぁ、あまり気にしないでね、こういうの意図せず悪く出ちゃったりするもんだから』ってフォロー入れてくれて結局採用になったんだけど、あの検査は結構当たってるなと思ってんだ」



おーい、救急車。