un deux droit

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妻のソレにも病名を

「あなたはアスペルガー」「私はカサンドラ」ーー



妻が朝早くから発狂して離婚だと喚き散らし、家を飛び出した。私が追い出されることはこれまで度々あったが、妻が出て行ったのは初めて。狼狽える子どもたち。「おかあさんはべつのいえにくらすの?」と心配そう。「しばらくしたら戻ってくるよ。お父さんとは別々に暮らすかもしれないけどお母さんは一緒だよ」泣きながらもほっとしたような様子。父と離れるのは寂しいという感覚。母と離れるのは不安という感覚。生存する上で必須と判断するのは母親の存在のようだ。私の存在はどこまで行っても友人レベル。極論いなくても生きていける。そう認識されてるっぽいことがどことなく虚しい。

朝から口論してやる気も無くなってしまい、子どもたちをいつも通りに学校や保育園に通わせるのも可哀想な気がして全てお休みにする。暇になったから公園でも行こうか、と、のそのそと準備をしているうちに妻が帰宅。そして冒頭のセリフが妻から飛び出したのだ。

妻曰く、こうだ。
「私が傷つく私とのコミュニケーションの齟齬や、不足は全て発達障害の症状と相似である。そして社会生活ではその弊害が現れにくく、仕事でトラブルなく帰ってきている様子なのに家ではコミュニケーションが取れない。だからおかしいのは私自身の方でないかと思い悩んでいた。しかしいろいろと調べてみると同じ構図で苦しむ妻の記事などが出てきて『これだ』と思った。あなたが悪気がないらしいということは理解したから戻ってきたけど、あなたも自身の病気を自覚して、改善を試みてくれる?」
と、専門家でもないのにもう障害確定の様子である。
もう私はどっちでもよかったので、「あぁ、きっとそういうことなんだろうね、私があなたの求めているコミュニケーションがどういうものなのかわからず、一向に取れないのは」と全面的に同意した。

私から言わせると問題はそれほど複雑ではない。単純に妻に対して「本当に」関心が無くなってしまったのだ。関心があるのにそれが出せない→つまり発達障害だ、と妻は思い込みたいらしいのだが、その冒頭から彼女はつまづいている。もう私は妻が何を考えているのか、何に悩んでいるのか、何に苦しんでいるのかにあまり関与したくないし、それらに対して何か役に立てるとも思えないのだ。だからいつも生返事のような気の抜けた相槌と、見当違いの応答で返してしまう。
仕事で支障がないのはちゃんと相手に関心があって話が聞けるから、という身も蓋もない話である。

これまで散々暴力と罵倒を繰り返してきて、私の自尊心と自己肯定感をズタズタに踏み躙り、「この人には何を言っても無駄だ」と学習的無力感を繰り返し刷り込んできたというのに、「もっと自分の意見を言ってくれ」とか「あなたの意思が見えてこない」とか「もっと私の気持ちに寄り添ってほしい」とか「トラブルは減ったけど疎遠に感じる」とか訴えてくるのは虫が良過ぎやしないかと思う。私の考え、思い、気遣い、優しさを拒み、全部自分の好む型に押し込めようしてきたのはそちらではないか。私は自分らしさを全て抹消してあなたの言う通りの型で機械的にコミュニケーションを取るということを自らに課している。感謝されこそすれ文句を言われる筋合いなどない。「私が考える以上のことがあなたから出てこない」と文句を言うけれど、決してあなたの線引きした領分から逸脱しない忠実さを褒めてほしいくらいである。

妻が私に改めて人間性を求めるならば方策は一つしかない。あなたが「絶対受け入れられない」と拒み、否定する私の考えを時には許容することだ。たとえば「私はあなたの〇〇という発言に傷ついたのだから謝ってほしい」とお願いした時に妻は決して謝らない。なぜ謝る必要がないのか、という屁理屈を永久に捏ね回してくる。その労をいくらかけてでも、私が望んだ通りに素直に頭を下げる、ということは決してしない。自分の意に反する屈辱的な行為であったとしても、自分が大切だと思う人が望むなら応ずるべきだと思う。

少なくとも私はこれまで、自分が望まない振る舞いや言動を妻に散々強要されてきたが、家庭を維持するために甘んじて受け入れてきた。そういうことを告げると「結局やれたということは望んだということよ。それがどんな理由であれあなたの自発的な意思なの。どうしてもできないなら離婚すればいいだけの話。私が望んだようにあなたがどうしても振る舞わないなら私が離婚を選択すれば良いだけ。あなたが望んでいても私がやりたくないことを強要し続けるなら、その時も私は離婚を選択するだけ」という鬼のような理屈を持ち出してくる。

私の思い通りにあなたが振る舞わないなら離婚よ。それが嫌ならやりなさい。
あなたの思い通りに私が振る舞わないなら離婚を突きつけなさい。それが嫌なら諦めなさい。

相手が思い通りにならないなら離婚しても構わない人と、離婚してまで相手を思い通りにしたいとは思わない人の勝ち目のないジャンケン。これが私たち夫婦のパワーバランス。無気力にくらいならせてくれよ。