un deux droit

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間違いとの向き合い方

世の中に間違っていない人間など1人もいない。ということだけは間違いなく言える。

これはさらに、「自分が間違っているかどうか」の判断についても間違っている可能性がある、ということだ。私の妻のように「自分だって間違うことはある。だから文句があることを全部言っているわけではない。自分が悪くないと思うことだけを言っているのだ」と言うのは一見尤もらしく見えるが、その善悪の仕分けそのものがあべこべである可能性を甘く見積もってはいけない。

さらにさらに譲歩して、「本当に自分が100%正しくて、相手が100%間違っている」という事象があったとしよう。それでもやはり「おまえが100%悪い」と頭ごなしに言い募ってはいけない。結局それは端的に言って無礼だ。およそ良心的な人間であれば、そのような事象があれば自ら非を詫びるものである。それを待たずして「お前が〜」と断罪するというのは相手を「真っ当な理非を判断する能力の欠如する者」として人格ごと蹂躙する行為である。

というわけで、物事を判断する上では常に自分の直感を割り引いて抑制的に振る舞うのがマナーだと思うのだが、そういう宥和的な態度が独裁者に付け入る隙を与えるのかなと思うと暗い気持ちになる。