「なんで本音を言わないのか」
朝から妻が超絶不機嫌。
「自分の考えがないあなたと暮らしていてもつまらない」
そう言って妻は家を出て行った。
そしてしばらくして「つまらない人の特徴」という記事をLINEで送ってきた。
私は私で、本音かぁ、と遠く空を眺めていた。
確かにたまに自分の考えを述べることはほとんどできていない。「あ、はい」「うん、わかったよ」ばかり。確かにそれではつまらないだろうと思う。私は私で妻に心を閉ざしてしまっている。ずいぶん傷つくことを言われてきたし、暴力も受けてきた。そのせいで鉄壁のガードをするようになった。付け入る隙を与えない。そのためには話を一切展開しない。それだけ。
結局妻が欲しているものは、妻が自ら遠ざけたのだ。自分の本音を述べていいことなどひとつもなかったと学習させておいて、私の本音を聞かないと不満を垂らすのは虫が良すぎやしないだろうか。そんなんでは語れるなんて心が弱すぎと詰るのだろう。もう手の内は分かり切っている。でも私はあなたの会話のサンドバッグではないし、私の心はあなたがぐちゃぐちゃにかき乱していい玩具箱じゃない。
しかしあなたにもその原因の一端があるのでは?と示唆したとして、素直に自省できるほどの知能が妻にないことももう明白だ。素直に諦めて、自分がつまらない男というレッテルをヘラヘラと受け入れよう。