un deux droit

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営業と大雨

毎年雨には泣かされてきた。
基本的に、雨を理由にアポイントをリスケできるか顧客に打診する営業はいないと思う。
なんなら10年前くらいだと、雨の日こそ直訪(アポ無し営業)に行け、温情で座らせてもらってそこから仕事に繋がることもある、なんて感情論を振りまかれたこともある。
そういう空気感の中で、大雨が降っていてもしぶしぶ客先に出向き、スーツと革靴を水没させて帰ってくる、なんで馬鹿なことを念に何度かしてきた。
もちろんそんな日に出向いたからって、成約率が上がるわけでも客先評価が上がるわけでもない。それでも一度確保したアポはなかなか手放せないのが営業の悲しい性だ。風邪をひいたり電車が止まって帰宅難民になって次こそは必ずキャンセルするんだ…と歯噛みしても、翌年には必ず同じ過ちを繰り返してきた。
なぜ過ちを繰り返すのか。それはひとえに、雨のピークが夕方に固まることにある。キャンセルをかけるべきタイミングの午前中はまだ小雨だったりする。忌々しいことに電車も通常運行している。不可抗力なく自分の判断でキャンセルを決断しなければならない。天気予報では警報と言われていても、目の前の天気とアポ延期という判断の見かけのギャップに耐えられず、顧客への電話発信ボタンをどうしても押さないできた。そして夕方の集中豪雨にまともに巻き込まれるのだ。どうせ降るなら午前中から頼むよ。いつもそう願うけれど、雨の降る仕組み上そういうものなんだろう。理屈はよく知らんけど。

今日も朝の雨は普通だった。電車も遅延していない。この程度でアポをキャンセルする営業はいない。けれども自宅と顧客までの間の地域に大雨警報が出ていた。これは「例の日」だぞ。そんな予感がした。念のためですが延期させてください、と顧客に連絡を入れ、リスケをした。さらには今年からのバージョンアップとして、事務所にも出向かず在宅勤務にした。昨年はなかった選択肢。今回はなんの躊躇もなく使わせてもらった。上司は雨にまみれても出社していたようだが、そこに対しての気まずさはもはや皆無だった。あんたは勝手に濡れてろ。それが仕事だ。
保育園の送り迎え以外は雨に降られることもなく1日を快適に過ごし、そういえば天気どうなったんだろうとニュースを見たら、自宅と顧客の間の地域が完全に水没していた。おまけに電車も完全に死んでいる。昼過ぎから上下線運転見合わせで明日いっぱい再開しないらしい。マジで危なかった。今日のアポを決行していたら最短でも明日まで帰れなかった。朝の警報は正しかった。私はついに営業職の呪いを解き、雨を克服したのだ。

ここ数年の雨量はシャレにならない。過去の経験はあてにならない。そして自分には家族がいる。いざという時には常に近くにいて安全を確保したい。そのためには仕事のルーティーンを壊すことを躊躇してはならないのだ。
今日も去年までの自分のような帰宅難民が多数発生していると思う。早くこの不毛な習慣から足を洗う勇気をぜひとも持って欲しいと強く願っている。

最後に、この度の豪雨で被災された方のご無事と、犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。