un deux droit

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春雨に濡れて

先週の土曜、長女の自転車の練習に付き合って近所をブラブラしていると、長女の保育園時代の同級生家族の車とすれ違った。向こうがこちらの存在に気づき、わざわざ車を切り返して戻ってきて、路肩に車を停めた。私たち家族が引っ越すために、別の小学校に通うことになったので、卒園以来2週間ぶりの再会だ。長女達が10年ぶりの同窓会かのように大はしゃぎする。

長女曰く一番の親友だったとのことだが、親同士LINEを交換しているわけでも無いので、保育園を卒園した今となってはこのような偶然ばったり出くわすくらいしか顔を合わせる機会がない。

先方も偶然の再会を名残惜しく思っていたのか、「今度の土曜日の午後に、K公園で保育園のお友達の集まる機会があるので、あんどうさんも来ませんか?」と誘ってくれた。「調整して伺います」と、今時珍しい口約束を交わして別れた。



そして今日がその当日。K公園は広く、何時という具体的な時間も取り決めていない、そもそも本当に来るかどうかもわからない心許ない待ち合わせ。ただでさえそんな調子なのに、今日はあいにくの雨。これは9割方来ないな‥と私は思ったが、長女は諦めなかった。「K公園に行く。」とにかく一度行ってみて、本当に来ていないことを確かめたら納得するとのこと。私は合意して、次女も抱えてK公園へと出向いた。

案の定、公園には雨をもろともしない中高生がたむろする程度で、小学生の女の子らしい一団がいそうな様子はない。それでも一縷の望みに懸けて、傘を差して公園中を徘徊する長女。30分ほどの雨降り散歩をした挙句、長女は力無く肩を落とし、現実を受け入れた。


連絡手段が発達して「会おうと思えば確実に会える」「会えなくなれば事前に連絡が来る」ということが当たり前になった現代で、たまにはこういう不確実な人付き合いというのも悪くないなと思った。何でも確実に手に入りすぎると、かえってありがたみがなくなる。

そんな取り留めないことを書いているうちに雨が上がった。
出会えなかった旧友の事など気にもとめずに、長女はターザンロープに夢中になっている。
綱に残る湿り気の僅かさが、すでに私だけのものとなった感傷や未練がましさを示している。