un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

「男性育休促進」だなんて眠たいこと言ってんじゃないよ

某行政団体より、育休経験者のインタビュー依頼が飛んできた。男性の育休取得促進事業らしい。これだけテコ入れして全然伸びないんだからもう諦めてみんなでなかよく国家衰退の道を辿ったら?と思うが、私が辞退することで代わりにキラキラしたテンプレ育メンが登場して男性育休取得の気を削ぐことになってはいけないと思い引き受けることに。まぁでもインタビュアーの思惑はいかに育休にメリットがあるか、例えば仕事に役立ったとか、家庭が円満になったとかそういう打算に塗れた回答を迫られ、編集されるのだろうから、2022年時点でのあんどうの本音をここに記しておく。





育休なんかメリットねーよ。仕事は仕事で覚えろ。家庭円満かどうかは育休取得とは関係ないね。子育ては子育てできること固有の喜びと苦しみがあるのだからただ黙ってそれを味わえ。さらに上乗せで美味しい思いをしようと企むな欲張りめが。

そして本来は育休取るか取らないかなんて選択肢ねーよ。今までが異常なんだよ。親やるって決めたんなら黙って取れよ。女は選べねーんだよ。

親は辛いぞ。何が辛いって24時間親であることから逃れられないんだ。それこそ健やかなる時も「病める」ときもだ。仕事でむしゃくしゃしたことがあっても、むちゃくちゃ下痢でも、夫婦喧嘩真っ最中でも、switchの新作発売日でも、親であることをパスできない。仕事もすっかり終わって体調も気分も良くて趣味もバッチリ楽しんで残りの時間で親をやるわけじゃねーから。だからもちろん子どもにいつでも聖人のフリして向き合えない。虫の居所が悪くてどうしても我慢できないこと、笑って見過ごしてやれないことがある。常に優しくてかっこよくてキラキラした父親像を見せられない。心が狭くて陰気でダサい姿をどうしても見せざるを得ない局面がある。それがまた情けなくて自己嫌悪の毎日だ。自分が思い描くカッコいい父親像と現実の自分は狂おしいほど乖離がある。いや、そんなことはないね、と強がる男性は、その嫌われ役をパートナーに押し付けているだけだ。いつもカッコよくてキラキラしたパパでいられるのは自分がそういられない時に常にママがカバーしていて、そのままは優しくなくて美しくない姿を子どもに見られ続けて密かに傷ついてるからな。自分が常にカッコよく見られるより、自分が時にダサくてもそのお陰で妻が常に綺麗でいられることに貢献した方がいい男だと思わないか?

そしてそこまでやっても妻には感謝されねーから。なぜなら生理があるから。もうどうしたって女性はあまりに不条理な罰ゲームを日々生きている。男性がいくらカバーしても無理。だって女性はカバーしてもらいたいんじゃなくて、自分で自分のことをやりたいのだから。障害を持つ人だって介助をしてもらって嬉しい人なんていない。できれば何でも自力でやれるならそれが一番自尊心が保たれるはずだ。で、女性は皆聡明であるからして、粛々とその不条理な宿命を受け入れて生きている。文句も言わない。ほとんど。いや、たまに。いや、ごく稀に。まぁとにかく、そうやって傷ついている女性たちに対して感謝するどころか、あまつさえ褒められようとするとはなんて図々しい!恥を知れ!男性に生まれたことを心の底からありがたく思え!

ここまでの話でついていけねーと思うなら、子どもを持たない人生のほうが多分幸せ。むしろ結婚すらも躊躇した方がいいかもしれない。独身時代の自由さと比べたらそりゃあもう「墓場」に見えること間違いなしだ。けれども忘れてはならない。そんな不自由さを「墓場」だと思うなら、女性は生まれてこのかたずっと「墓場」暮らしだ。もう充分人生楽しんだろ。だったら自分の愛する女性に出逢えたのなら、「もう俺の分はいいから」と、自分の自由を分けてやれないもんかな。女性は幸せになるために、男性は誰かを幸せにするために生まれてきた。そういう役割であると認識しないと説明がつかないほど、男女の肉体的な差は不公平だ。その余分に授かった自由を自分のために使っても誰からも文句は言われんけど、あんたのためのもんじゃないからなとだけは言っておくよ。





と、妻からこれまで頂戴した有難いお言葉をダイジェストでお送りしてまいりました。あんどうはこれからも粉骨砕身家族のために頑張って参ります。世界中の女性に幸あれ!