un deux droit

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35にして実質年金生活

転職するタイミングを完全に失ってしまった。

2020年、会社へのエンゲージメントが地に落ちていた私は、新型コロナの蔓延を機に、どこまで好き勝手な働き方ができるか試すことにした。
まず始めたのは事務所への出社を極限まで減らすこと。例えばこれまでならば10時にアポがあれば、一旦9時には事務所に出社して、その後に顧客先へと出向いていた。それが今ではほぼ全てのアポは直行直帰。10時に家を出て13時に帰宅とかザラである。極力社内の人とは会わない。会議もzoom参加。どうしても対面でやりたいと上司が言ってきたことがあったので、その時は事務所に顔を出してみたが、対面でしかできないような高度な議論が何一つなかったので、それ以降はまたzoomの世界に篭った。どうしても会いたいならそれ相応の議題を用意しろ、と。こうしてほぼ同僚と直接顔を合わさずに済む環境を作った。

次にやったのは電話に出ないこと。かかってきてもすぐに取らず、自分が今取り掛かっている業務の区切りがついてから折り返す。社内なら折り返さずチャットで要件を尋ねる。これを徹底するだけで時間管理の主導権が握れて気分が良い。

その次に着手したのは業務の吟味。価値を感じないプロジェクト、可能性の低い顧客、心惹かれない商材を片っ端から削ぎ落とした。自分が支援したいと思う顧客が支援して楽しいと思う分野の依頼をかけてきたときだけ飛びつく。そのミッションは採算度外視でたっぷり時間をかけて自分一人でやりぬく。それ以外のジャンク案件は全部手放す。幸いそれを喜んで収集する乞食営業がたくさんいるのでwin-winになっている。それでも予算達成できるもんだから意外だなと思う。むしろ今までつまらない顧客の筋の悪い案件のケツばっかり追いかけてずいぶん無駄な消耗をして少ない実りのかき漁っていたのだなと後悔。2019年までの自分は乞食だった。

最終段階として、就業時間の柔軟な解釈。その日にすべきことが終われば勝手に終業。一応タイムカード上は定時退勤していることにしているが、クリックするだけで実態は問われないので実はランニングに出かけてたり買い出しに行ってたりする。ランニング中に電話が来ることもあるが、悠然とスルーして目標の距離まで走り続け、しっかりシャワーを浴びて息が整ってから折り返す。クイックレスポンスしなければ商機を逃すようなことはそうそうないし、たとえ逃しても構わない。そんなことで流れるような仕事は筋が悪いので手を出すべきでない。

ここまでやり切ると、だいたい毎日実働2、3時間で、それ以外の時間は家事、筋トレ、読書などに充てられる。給料も低いし経営陣はクズばかりでもう潮時だなと思っていたけれど、ほぼ負荷ゼロで勝手にお給料が振り込まれてくる不労所得状態としてはずいぶん割のいい手取りだ。
本来ならばこの空いた時間を何か資格試験でも受けてキャリアアップの肥やしにすればいいのだろうけれど、残念なことにこの環境を手放してまでやりたいと思えるような仕事がとくにない。暇だから投資でも手を出してみるかな。