un deux droit

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結集軸が見つからない

大学時代のゼミの先生が組んだ対談集を読了。
安倍政権が破壊した政治家や官僚のモラル、毀損された国民の価値観について非常に分かりやすい分析がなされていたものの、これからどんな政策が求められるかについての提言は、最終章に水野和夫さんの提言を引用しておしまい、というやや乱暴な幕引き。彼らが述べたかった部分じゃないみたいだから仕方ない。
結局どうやって共同体的なものを再興するのかって話に尽きるなぁ。家族も地域も解体されてしまってお互いの実情が見えない。助け合ったり持ち物を融通し合えば簡単に解決する問題も、その解決策を個人がそれぞれ市場(amazon)に求めちゃったりして、解決に必要なコストの総量は高くなるわ、利益は全部ベゾスさんにスポイルされちゃうわで散々。コミュニケーションはグローバルにやってもらって構わないけど、物質のやり取りは目に見える・手の届く範囲でちまちまやっていくくらいが人類の身の丈に合っている、という話。あぁ身もふたもない。強欲な人の頭をたたいて、税金で収奪して、分配するって話だもんなぁ。自分たちからすすんでどうぞお使いくださいなんて話にならないのだから、持たざるもので結託しなきゃならんのだけれど、結託ができないように長い時間をかけて分断し家畜化した成果が今の日本だからすでにずいぶん前に負けてるよね。あー、嫌になる。
野党に任せられない、という話はよく聞くけれど、そもそも任せるという意識がだめなんじゃないかと思う。私があなたたちの代わりにやってあげますよ、と近づいてくる輩はどのみち詐欺師。一緒にやろう、声を上げよう、考えよう、動こう。そうやって賛同者を当事者扱いする政治団体ができて、草の根で議論したり問題解決するような動きがでてくれば少しは変わるのかな。どうやってできんだそれ。