きっかけはAmazon Primeだった。
Prime会員だと、楽曲もフリーで結構聴けるものがあることを発見し、普段食指が伸びないアーティストも、このコロナの暇(働け)に乗じて一度は聴いてみるか、という気になったのだ。
それで最初にクリックしたのがあいみょん。自分とは一番遠い存在と勝手に決めつけ、一度も自覚して聞いたことが無く、どの曲名も知らない状態で再生をした。
名前からはきゃりーぱみゅぱみゅを、ビジュアルからはいきものがかりを想像していたのだが、その歌声はどちらの予想とも外れていた。
最初に近しい印象を受けたアーティストはyuiだった。ほう、なかなかこれは聴けるぞ。そのうちにいや、これは椎名林檎か?いや、ちがう。もっと古い。中島みゆき?・・・いや、ひょっとして、天童よしみ・・・???
具体的に誰を想起するかはともかく、幅広い世代のアーティストの雰囲気をまとった不思議な歌声、という印象。これはつまり、どの世代が聞いてもどこか懐かしさを感じるということ。音楽から離れていた人を引き戻すパワーがある。これは流行るわけですな。
そんなわけで、最近の午前中のランニング(仕事しろ)のお供として、あいみょんの曲をリピートしている。
しばらく聞いていると、自分の娘たちの5年後から10年後に抱くであろう悩みや葛藤を先取りしているような感覚になってくる。その頃にはもう自分の存在など彼女たちの中では本当にちっぽけなもので、薄汚くて時化たATMと化しているのだろう。正直、まだ、その話は聞きたくないんだよなぁ。いずれそういう時期が来るということはわかっている。でもまだその覚悟が決まっていない。日々ランニングしていれば嫌でも気づく体力や容姿の衰え。今みたいにお父さんお父さんと無邪気に駆け寄ってくれる時期はそう長くはない。こうやって走って老化に抗っているときに、無慈悲に突きつけてくる近未来に足取りが重くなる。
それにしても女の子の子どもがいると、女性を見る目は変わるなぁ。
20代の人ですら女性というより、誰かの娘さん、お子さん、という風に、親の目線でしか見ることができない。
間違っても恋愛対象として見るなんて、とてもとても。
セックスレスなんて嘘だ!男は生涯現役!どうせ別の女とよろしくやっているに違いない!と強弁するおじさまがたまにいるが、もうあれは自分とは別の生き物なんだなと思う。
環境で去勢できる男も世の中にはいるのですよ。