un deux droit

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前髪を掴む構えで静止

自分が言い出しっぺで始めた新規事業、3年目にしてサービス提供のプラットフォームがシステム化され、事務工数が激減した。見栄えもかなり良く出来たので、利用者の体験価値も向上が見込め、今後の新規受注や既存顧客の利用拡大に期待ができるアップデートとなった。

ここでサービスの改善に一息入れて、販売に注力したい気持ちが湧いたが、今後の事業拡大を見込んで逆算したときに、業務提携先を拡大しておかないと詰むな、という予感がした。営業活動は自分以外にもできる。

今の需要感のままだと、既存の業務提携先のキャパがなくなるまで、まだまだ余裕があるように見える。スタッフも口を揃えて、提携先の拡大はまだ先でいいんじゃないかと言う。けれど、業務提携先というのはそう簡単に見つかるものでもないし、選定、教育、実稼働、再教育、と、手放しで仕事を任せていいレベルになるまで最短でも半年はかかる。キャパがなくなってきたなと感じてから動き出したのでは間に合わない。だから、まだ需要のない段階で動き始めなければならないのだ。

需要のない段階で供給強化の判断をするのは、とてもリスキーだ。需要が伸び悩んだときに不良債権化する。けれどもどんな商売だって、多かれ少なかれ初めはその博打をして成長したのだと思う。世界中を探せば、博打をせずに、確実な需要だけで着実に成長できた運の良い会社もあるのかも知れないが、その例を私は知らない。博打をしても負ける可能性が高いが、博打をせずに勝てる可能性がゼロならどこかで博打をするしかない。

チャンスの神様は前髪しかない、と言われるが、前髪を掴むにはチャンスの神様が視界に現れてないうちに、目の前を通ると見越して手を突き出しておかねばならないのだと思う。その姿が、周囲から見ていかに滑稽なものであろうとも。

どうせ負けたとて、会社の金なのだ。サラリーマン稼業を無責任に楽しもう。そこの角から神様が猛ダッシュで曲がってくるのが楽しみだ。