un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

全身整形まで止まらない人の気持ちを少し理解した2023年

2023年最大にして最も効用の高かった出費は「ミノキシジル」のタブレッドだ。

「ミノキシジル」の6文字は、薄毛が気になる人間の目にだけよく止まる文字列だと思うが、これは発毛を促す薬である。

ミノキシジルについては、この成分が入った塗り薬もあるが、内服したほうが遥かに効果がある。その反面、体への負担も大きいため、ハイリスクハイリターンの挑戦となる。さらには保険適用外のためかなり高額になる。これとは別に脱毛を防ぐ薬もあり、両方の服用を続けると年間15万前後の出費になる。私は幸いにしていまのところ副作用はなく、明らかに発毛効果を実感できた。開始前は健康を害する可能性が怖かったし、高額な出費に対する不快感もあったが、そのリスクとダメージに見合う利益を得たので後悔はしていない。体感では5年分くらい毛量を巻き戻したように思う。

治療は早ければ早いほど効果も高いので、むしろもう1、2年早く決断すれば生え際の完全復活が期待できたのに、という未練があるくらいだ。


薄毛を気にしなくてもいい事の最大のメリットは、薄毛を気にしなくていいことだ(同語反復)。朝起きたとき、強風に煽られたとき、風呂から上がったとき、隠している生え際があらわになっていないかと気にしてばかりいた。そうでなくても、鏡や窓などで自分の髪型が崩れていないか頻繁に確認していた。

今やその習慣はすっかり潰えた。何がどうなっても無惨な状態になっていない安心感を得てからというもの、自分自身の身なりを確認することが圧倒的に減った。気にしなくていいことによって時間の浪費と心労を回避できるようになったのだ。かっこをつけたいというよりは、余計な印象を与える情報を減らしたいのだ。私と会った人が、顔を合わせたその日の寝る前には、あの人どんな顔だったかぼんやりとしか思い出せない、くらいの薄い印象でいい。それよりも自分が伝えた考えや、会話をして面白かったな、という印象の方を残してほしいのだ。有益な話でもなく、一緒にいて面白くなかったなら、私の存在などもうきれいさっぱり忘れてほしい。話もつまらなくて、退屈だったけど、あの人のハゲのおぞましさだけがいつまでも脳裏に焼き付いている、という結果が私にとって最悪だ。

今困っているのは、1~2年前の家族で撮った写真の自分が、さすがにちょっと今より薄くないですかっていう状態になっていること。自分では気づかれないタイミングで投薬を開始できたと思ったけれど、見比べるとさすがに違和感が残る。一番ギャップがあるのは免許証の写真。ゴールド免許のため無駄に令和10年までこの写真とお付き合いしなければならないのが忌々しい。ほんと、気になり始めたら即投資した方がいいですよ。

髪の問題をお金で解決してしまうと、今度は歯並びが気になってくる。これが解決すると今度はシミが、とか、姿勢が、筋肉が、と際限なく気になってくるんだろな。もし今ひょんなことで小金を手にしたらDr.stretchに吸い寄せられると思う。身体の固さや可動域が変わったら、もっとスポーツ楽しくなるんじゃねーかなと思ってる。でも柔軟さは遺伝子の形質に由来するらしく、ここもまたガチャかよ、と、やればやるほどむなしくなるんだろな。いずれにせよ、全身整形まで止まらなくなる人の気持ちが少しわかった2023年。私が自分にbetするのはここまでとしたいと思います。


▶ 【PR】はてなブログ 「AIタイトルアシスト」リリース記念 特別お題キャンペーン
お題と新機能「AIタイトルアシスト」についてはこちら!
by はてなブログ

買ってよかった2023