un deux droit

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弱者の論理の悪用

妻が私の実家からの歳暮に半ギレ。どうやら口に合わなかったらしい。頼んでもないものを付き合いで食わされて、妙に感謝しなきゃならない感じになって、わざわざ荷物を受け取るのすらもお手数で、とにかくいろいろ気を遣わなければならないことが増えるからまたこっちからくれと頼んだもの以外は送ってくるなと指示するよう厳命を受けた。妻からすれば他人に過ぎないが、子どもからすれば血の繋がった祖父母であるからして、あまり子どもたちの前で未開の田舎に暮らす非常識な野蛮人のごとく悪し様に罵るのは控えてもらえないだろうか。
妻は自身が良家の出であると品格に自信をお持ちのようだが、パートナーの両親に最低限のリスペクトも払わず、「私があなたの親のことを悪く言ってあなたが傷つくのは、あなたが親から精神的に自律していないせいだ。あなたはもう結婚して完全に分離独立した家庭を築いたのにいつまで精神的に依存した息子のままでいるわけ」と謎理論を振りかざすあたりかなり育ちが悪いと思う。
親族に限らず他人との交流は少なからず意に沿わぬ言動をされることがある。それないちいちめくじらを立てて憤慨し、「それくらい人と交わる上での許容範囲なんじゃないの」と一般論として諫めると、「そうやってすぐ親の肩を持つ。結局古い家父長制の価値観に私を押し込めようとしているんだ」とテンプレートの被害妄想モードに突入して議論にならない。寸分の我慢も許容も融通も、家父長制のイデオロギーの肯定になるから断乎として受けつけません、というのは、家父長制の落ち度を都合よく曲解と拡大解釈して隠れ蓑にした果ての幼稚なわがままに過ぎないのではないか。端的に言って社会不適合者だ。
家族観というのは人それぞれだから、どちらが正しいというわけではないけれど、義理の実家をそこまであからさまに邪険に扱うような人と結婚して親不孝なことをしたなと心苦しく感じている。私が離婚を選択しない限り親にできることはあまりないけれど、その辺は含んで理解してくれるよう連絡を入れておこう。心配なのは、自分のルーツの半分が実母に否定され続け不自然に遠ざけられて育つ我が子達だが、ちゃんと健全な育ってくれることを願うより他ない。