un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

放置子と決めつけること勿れ

昨日の夕方、娘と公園に行くと、年長くらいの女の子と、年小くらいの男の子が遊んでいた。
女の子が私たちに気づくと、
「一緒に遊ぼうよ」
と声をかけてきて、今まで遊んでいた男の子に、
「私この子と遊ぶからもう一緒に遊ぶならおしまいね」
と言い捨てた。
そのあとも距離感をぐいぐい詰めてきて、私にも「これはこうやって遊ぶんだよ」「これ可愛いでしょ」「私こんなことできるんだ〜」とアプローチが止まらない。
なんだかすごく面倒臭い子に絡まれたな…と周囲を見渡すと、ベンチで談笑するお母さんが2人。どっちがどっちの親御さんかはわからないが、このやりとりが聞こえるくらいの距離にいてもこちらに構うことなく喋り続けている。口の利き方を窘めたりしないのか、どこのおっさんかもわからない人と娘が気安く話していて心配にならないのか、もやもやしたまま適当にあしらいつつ娘と遊んだ。
しばらくして母親2人が立ち上がり、子どもに帰るよ、と声をかけた。やれやれ、ようやく解放されると思ったその時、私は目を疑った。1人の女性は男の子を連れて、もう1人の女性は単独で帰路についたのだ。女の子は気にせず1人で遊び続けている。
「あれ?今日は1人で遊びにきたのかな?」
「そうだよ〜。17時になったら帰らなくちゃ」
思わず初めて自分から女の子に話しかけると、さも当然かのように返答があった。
なるほど、先程の女性2人は男の子の母とその友人(子なし)で、そこに女の子が単独で乱入していたわけか…道理で注意しないわけだ、彼女らも手を焼いていたわけだし。それにしても紛らわしい…
公園に女の子と娘と取り残され、目の前の女の子が急に不憫に思えてきた。聞くと小学1年生だという。自分たちの子どもの頃はこのくらいの年齢だと1人で近所をうろついていたが、さすがにこのご時世だと1人で遊ばせるのはちょっと心許なくないか…だからといって何歳ならいいかと言われると即答できないが…
それぞれ家庭には事情がある。自分の常識は他人の非常識。我が家だって誰かの家から見たら、その家の常識から外れて映る側面だってあるはずなのだ。そう割り切ってそのあとはあまり邪険に扱わず一緒に遊ぶことにした。やがて17時の音楽が流れてそれぞれの帰路についた。虫取り網と虫かごを引っ提げて帰る女の子の背中を眺めつつ、あと数年後、娘が小学校に上がった時にまた元気な姿を見られたら、とそれだけ思った。どうかご無事で。