un deux droit

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博多「麺や兼虎」

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北海道に住んでいた頃は、つけ麺という食文化が理解できなかった。アツアツのスープに冷たい麺をつっこむという「ぬるさ」を楽しむ感覚に需要があるとは思えなかったのだ。
サラリーマンになって東京に進出した年の春、初めてつけ麺の必要性を理解した。訪れた店は東十条の「ほん田」。評判のラーメンを食し、満足して店の外へ出た私の感想は「暑い」だった。汗が一向に引かない。ご飯食べるたびに汗だくになっていたら生活に支障がある。私はこの経験の不快さから一時ラーメンやから足が遠のいたほどだ。それくらい本州は、春先から秋口までずっと蒸し暑いのだ。
ラーメン的なものは食べたいが、爽やかにも過ごしたい。その両取りを可能にしたのが「つけ麺」なのだ。冷やし中華とは違ってしっかりラーメンの面影を感じさせながら汗だくを回避するには「ぬるい」ものを食うしかなかったのだ。そのソリューションがアツアツのスープに冷たい麺のコラボだった。私は感動を覚え、それ以来つけ麺の虜となった。

要らぬ前置きが長くなった。福岡にはつけ麺文化がまださほどない。当然店舗も少ないが、兼虎は関東人でも満足するクオリティのつけ麺を提供する数少ない店だと思う。博多駅にできてますます行きやすくなった。撤退しないで頑張ってほしい。