un deux droit

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お清めのボランティア

育休経験を語れる人を見繕ってくれと言われていた件、結局私自らが買って出ることになった。日にちの都合がつき、予算の折り合う人がいなかったためだ。以前なら採算の取れない案件は理由をつけて断っていたが、お客さんの言い値で引き受けるという投げやりな契約をした。
適正価格を提示できない買い手に対しては売り手が安易に同調してはいけない。過度な安売りは他のプレーヤーが適正な利益を得る機会を妨害するため、やがて市場全体の生態系そのものの毀損を招く。そんなこまっしゃくれた態度でこれまで商談に臨んでいたのだが、不意に馬鹿馬鹿しくなった。私にとって内容そのものに価値があるなら金銭的利益は度外視で良いんじゃないか。そんなふうに思えたのだ。
おそらく会社がコロナでお尻に火がつき、儲かること自体を目的化している浅ましさや卑しさがダダ漏れになっていて、それに反発したくなっただけだと思う。我々が事業を通じて生み出したい価値はなんなのか。その価値探求を持続させる手段として金がある理屈はわかるが、金を得られないからと言って生み出したい価値の提供機会を手放すのは本末転倒ではないか。デトックスのために見返りが最小化された他者への貢献機会をこれからも定期的に設定していきたい。