un deux droit

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夏祭りマニュファクチャリング

昨日は自治会の夏祭り。客ではなく運営側で携わってきた。新たに発足した父親の会の、最初の大仕事。酷暑の中、焼きそばとフランクフルトの屋台をやることになった。

ボランティアで集まった父親は6人。発起人が機材や食材を準備してくれたのだが、発起人含め皆未経験ということで、発起人が隣町から経験者の助っ人を読んできており、助っ人の采配のもと開店。

まずは助っ人がお手本。慣れた手つきでジャカジャカ焼き始める。仕上がったものを残りのメンバーでパックに詰め、保温用の発泡スチロール箱に詰めていく。その後ボランティアのメンバーが順番に調理に挑戦。およそ30食分を作ったところで祭りがスタートした。

ボランティアでそれぞれ誰が何をやるかという打ち合わせは事前にしなかった。というか、そもそもどんな作業工程があるかもあまりイメージできていなかった。それが次第に焼く人間が固定化され、その後の工程も、自然と自動車のラインのような形に収斂されていった。

まずはプレス・溶接(調理)と塗装(調味)が分化した。焼くのは焼く専門で、ヘラを両手から離さず、「今野菜入れて」「ソースお願い」と指示を出し、それに応える人が対面で固定された。

次に組立(盛り付け)、検品(量や具材の偏りを調整)、出荷(輪ゴムで留めて陳列)が分化した。

次に販売が焼きそばとフランクフルトとで分化した。捌けるペースや仕上がりのタイミングが異なるため、提供が楽なフランクフルトだけを欲する客を先に捌けるように列を分けたのだ。焼きそばの列はフランクフルトも取り扱うが、フランクフルトの列はフランクフルトのみ。トヨタ販社の取り扱う車種が、オーバーラップさせながらも若干異なり、エンブレムも違う、みたいな感じに似ているなと思った。

最後に調達部門(野菜、肉、麺)が新設され、効率良く焼けるように一回焼く分の食材(部品)を一揃えにし、残り食材の把握と、販売から来る欠品や品薄の情報を下に、鉄板の角の隙間で焼くフランクフルトの本数を調整していた。生産管理部門そのものといった働きをしていた。

特段誰の具体的な指示がなくとも、各々が自分の得手とする業務を見つけて最適化していく様と、その結果としてちゃんと工場生産のような機能が自然発生していく様が面白かった。産業革命を早回しで見ているような感覚だった。ボランティアの方々がそれぞれどんな職業なのかはお互いに知らないのに、役割分担が整然とされていくのは、肉体労働を長らくやってきた男性に刻まれた遺伝子のなせる業かもしれない。

ちなみに私は販売に貼り付き、集金と商品の受け渡し、販売プロセスの効率化、声出しして集客などをやった。結局本職の営業が肌にあっているみたい。

最終的にはお祭り終了の30分前にめでたく完売し、メンバーで祝杯を上げた。ひっきりなしに来る客の対応のため、祭りの会場で何をやっていたのかを把握する余裕が全く無かったが、とても面白い経験だった。

でも次やるなら秋にしてほしいな。