un deux droit

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第一章 エイプリルフール 3

今、目の前で起きた一連の出来事をうまく咀嚼できずに呆然としながら列の進むに任せていると、私の入寮説明の番が回ってきた。通された机には小柄で短髪の女性がボロボロのちゃんちゃんこを羽織って肩を丸めて座っていた。そのあからさまな座敷童子スタイルは狙ったものなのか素でやっているのか分からないが、一応先輩らしい。どうぞ座って〜とフランクに話しかけてきたものの、いざ具体的な説明の段になると顔を真っ赤にしながら裏返った声で要領を得ない話が続いた。
彼女は机の上に丸出しにしたカンペを見ながら「要するに、入寮イコール入自治会ってことになってるので、ここにハンコを押してほしいんだよね。」と告げた。

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