先日ふらっとコンビニに立ち寄った際、「ひなげし雨竜剣」というマンガが陳列されているのを目にした。「雨竜だと??」思わず二度見した『雨竜』の二文字。多くの日本人にとっては厨二心くすぐるキラキラワード以上のものではないかもしれないが、これ、れっきとした地名である。私の出身地の郡の名称だ。
北海道雨竜郡。実際はその先に〇〇町と続くわけだが、そこまで書くとあまりに具体的すぎるので郡まででぼやかしておく。ちなみにFacebookで出身地を登録しようと思っても市町村が検出されないので、「雨竜郡」で登録していたりする。
実家に住んでいた当時はなんとも思わなかったが、故郷を遠く離れてたまに実家に手紙などを書こうと思うと「北海道雨竜郡〜」から書きはじめるので、なかなか勇ましい字面だなと思うようになった。雨竜中学校の野球部のユニフォームは胸元にデカデカと「雨」「竜」と刺繍されており、それだけでめちゃくちゃ強そうだった。
雨竜町の隣には北竜町があり、ヤンキーがシマ争いで柄の悪い抗争でも始めそうな剣吞さがあるが、至って牧歌的な地域である。
そんなほぼ全国的知名度ゼロの雨竜郡について、構成する市町村ごとに紹介してみたいと思う。
雨竜町
郡名と同じ屋号を名乗る町だがその存在感はあまり大きくない。地域区分的には中空知に含まれており、もはやほぼ滝川市。地域住民の多くは国道275号を走る時に通過するが、滝川から北上したらいつの間にか北竜に入っているし、北竜から南下したらいつのまにか滝川に入っている。「あれ?雨竜通った?」となる不思議な町。
そんな雨竜町が誇るのはその面積の大半を占める雨竜沼湿原。
www.jalan.net
暑寒別岳という暑いのか寒いのか全くわからないネーミングの山の裾野に広がる湿地帯は幻想的で、ちょっと黄泉の国感がある。人生に疲れたらどうぞ。あとパークゴルフ場の質が良い。
北竜町
ひまわりの里。子どもの頃はひまわりの迷路に夢中になり、またガチで迷子になるのでトラウマにもなる。メロンが美味い。夕張よりおススメ。
とびきりマニアックなものを紹介するならば、餅が美味い。我が家では正月はこの餅で雑煮を作っている。すぐ痛むので大量購入は要注意。
www.nakagawabeikoku.co.jp
あと、北竜町には碧水という地名があり、「雨竜郡北竜町碧水」という文字列が「龍神の棲まう聖地」感強くて好き。
妹背牛町
ほんのり難読地名。個人的・北海道三大「アイヌ語地名定番の語尾」の一つである「ウシ」を含む。なぜかマイナースポーツが盛ん。現町長はテニススクール経営者。雨竜郡で唯一函館本線の駅を保有している。そのため廃駅にならなければしばらくは陸の孤島の憂き目に遭うことを免れる。
妹背牛を語る上で欠かせないのは「大黒屋」のジャンボ生どら焼き。中毒性半端ない。このためだけに訪れてほしい。
https://instagram.com/daikokuyakashiho?igshid=YmMyMTA2M2Y=
秩父別町
個人的・北海道三大「アイヌ語地名定番の語尾」の一つ「ベツ」を含む。埼玉の秩父市とはおそらく何の関わりもない。こちらはアイヌ語由来だし。
取り立ててお勧めすることのない町‥お昼と夕方にはサイレンの代わりに鐘が鳴る。
‥と思ったら知らない間に子ども向けのえげつない施設が建設されてた。
tokukita.jp
今度帰省することがあれば行ってみよう‥帰省することがあれば‥
沼田町
旧炭鉱町で、かつては札幌と沼田を繋ぐ「札沼線」という線路が敷かれていたくらいには栄えていた。
朝の連続テレビ小説の舞台
www2.nhk.or.jp
夜高あんどん祭り
numata-youtaka.com
日本三代獣害事件の一つの舞台
ja.m.wikipedia.org
など「映える」話題が色々と多いのと、住みたい田舎ランキングで全国2位を獲得する
など何かと周囲のやっかみを買ってそうな町。
numatakouhou.blog.fc2.com
おすすめは幌新温泉。獣害事件の名前が石狩沼田幌新事件というくらいあって、本当に熊が出そうなスリリングな環境で温泉を楽しめる。ちなみにキャンプ場もある。肝試しにどうぞ。
幌加内町
個人的・北海道三大「アイヌ語地名定番の語尾」の一つ「ナイ」を含む。いつの間にか空知地方から上川地方に鞍替えしていた。まあ立地的に旭川と繋がっていた方が便利よね。。全国的には蕎麦が有名。しかし個人的には隣の旭川市江丹別のそばが1番好きだが、幌加内人にそんなことは口が裂けても言えない。
おすすめは町の最北に位置する朱鞠内湖。
www.shumarinai.jp
冬に命の危険を感じる寒さの中でワカサギ釣りをするのがエクストリームな楽しみ。北海道の自然の厳しさを全て集約したような町。
というわけでどの観光地からも絶妙に遠いけれども、北海道のリアルを味わえる雨竜郡の紹介でした。
今週のお題「地元自慢」