un deux droit

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金持ち泥遊びせず

次女が「公園に行きたい」と言ってきかないので、ランチタイムど真ん中の12時に、昼食もとらずに近所の公園にGO。案の定公園には人っ子一人おらず貸切状態。定番の砂場遊びに興じ、洋服と靴を容赦なく泥水まみれにしてゆく。

公園の正面に、この界隈では高級な分譲マンションがある。そのマンションの駐車場にマセラティが止まった。なるほどここの住人ね、と横目で様子を伺っていると、2歳くらいの男の子がトコトコと公園へ向かってきた。MiKi HOUSEのロゴをあしらった洋服を着て小綺麗にまとまったその子は、我が娘たちと同じように砂場で遊びたがっていた。

男の子が娘たちの砂場道具をおずおずと拾って遠慮がちに砂を掬っていると、厳格そうな年嵩の父親がすぐにやってきて「なんで砂場に行ったの」とぼそっと呟き、息子を抱きかかえてマンションに吸い込まれていった。恨めしそうな表情を浮かべながら抵抗する様子を示さない男の子を少し不憫に感じた。育ちが良いと片づけることもできるけれど、子どもらしい無邪気さや闊達さを早々に封じられているように思えて仕方がない。その神経質さと狭量さゆえに小金持ちになったのだとしたら、手放しに誉められたものではないように思う。端正な顔つきをした男の子の健やかな成長を願う。