un deux droit

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夢ならば醒めないで

3年間、断続的に続けていたゲームを発作的にやめてしまった。
いくら課金しても欲しいアイテムが手に入らず、不運と許容できる範囲を超えたためだ。
運営にひとしきり文句だけつけておいて、返信も見ぬままアンインストールした。

最近は、夢という虚像を見せてくれていた存在から、現実を突き付けられることが続いている。

ゲームの中での人間関係は現実のもののように楽しかったけど、その関係は運営から搾取される、いわば共同被害者としての前提の上に成り立っているよな、と白けてしまった。
面白い人間はたくさんいたけれど、肝心のゲームに面白みがなく課金ばっかり求められるのでは本末転倒だ。その関係性を継続するためにゲームをやっているようでは始末に負えない。

道ならぬなんちゃら、というか不行跡についても、当初味わっていたスリリングさは感じられなくなった。お互いに自立した人間同士の惰性的な付き合い。なくなったらなくなったで一向にかまわない、人生を左右するほどのことでもない要素になった。一生足がつかなくて、止めてくれる人もいない。どちらかが連絡を途絶えさせたら、それで立ち消えになるようなはかないものだった。

ついこの間、「『同僚の後輩女性Aと、結婚直前に一夜を共にした』という話を、同僚の後輩男性Bがしていた」と同僚の後輩男性Cから聞いた。へぇ、と思っただけで、こういう話は意外とお蔵入りになるんだなとしみじみ思った。私の耳に届くってことは、それなりに出回っている話なんだろうけど、その話がAの夫の耳に届くことは、きっとない。ひどい言い方をすれば、そこまでニュースバリューがないからだ。ドラマと違って、Aを取り巻くシナリオがどっちに転ぼうが、正直言って興味はない。きっと、その噂を耳にした人間もそうなんだろう。だから、これはとんでもない秘密だ、必死になって隠そう、黙っていようとしていなくても、興味の薄さゆえに風化してしまう。Aは自信のニュースバリューのなさゆえに、ぬけぬけと結婚して子どもを2人設け、幸せそうな結婚生活を送っている。そういういい加減な人生が、きっと世の中にはあふれている。そして自分もその一人にすぎない。

運動して健康に気を遣っていても、マッチョになるわけでもなければ、睡眠の質が改善するわけでもなかった。この腹部の違和感が癌であったとしても、もう煮るなり焼くなり好きにしてくれと投げやりな気持ちになっている。

さて、ゲームを止めたことによって膨大に持て余した時間を何に使おうかな。虚像を追いかけ続けていけてたら幸せだったのにな