三が日が何をするでもなく終わってしまった。初売りに行くでもなく、初詣に行くでもなく、ひたすら家の中でカードゲームをするかディズニーの映画を見返していた。箱根駅伝を1秒も見ずに終えた正月というのはいつぶりだろうか。子どもを中心とした生活を続けていくうちに、かつて関心を寄せていたものがどんどんと零れ落ちてゆく。この調子だと来年は高校野球を見ずに終わり、お笑い番組も観なくなるかもしれない。そうなったらただの抜け殻だ。てか、後自分に残ってる自我がその2つくらいしか無いのがもうかなり詰んでる気がする。
今年の正月から新しく長女とプレイし始めたのは「あやつり人形」。コインを集めて建物を建てて行き、建築コストの合計の高いほうが勝つというシンプルなゲーム。このゲームの面白いところはプレーする順番が毎ターン変わることだ。8枚のプレイヤーカードを順に引いていき、カードにあらかじめ書かれた数字の若い方からプレーをするのだ。
1番のカードは暗殺者。2番以降の好きなカードを指名し、この回プレーできなくする。2番のカードは泥棒。3番以降のカードを指名し、そのプレイヤーがプレーを開始するときに持っているコインを奪う。3番のカードは奇術師。自分の持っている建物カードを他のプレイヤーと丸ごと交換するか、好きな枚数建物カードを捨てて、捨てた枚数分山札から引く。4番目は王様。次のターン自分からプレイヤーカードを選べる。5番目は司教。8番目の将軍の建物を壊す攻撃を回避する。6番目は商人。コインを1つ獲得する。7番目は建築家。建物カードの山札から2枚獲得し、最大3つまで建物を建てられる(他のプレイヤーは1ターンに1つのみ)、8番目は将軍。他人の建てた建物を建築コストより1つ少ないコインを支払えば破壊できる。
プレイヤーカードの選び方は、先手がランダムで1枚を見ずに捨て、残りの7枚から好きなカードを選び、後手に渡す。後手は6枚の中から好きなカードを1枚選び、1枚を捨てる。そして4枚を先手に渡す。以下同様に1枚を得て1枚を捨てる、を繰り返す。こうすることにより選択のたびに2枚ずつ減っていくので、相手が2枚のうちのどっちを取ったかを予想しながら自分のプレイヤーカードを選んでいくのだ。
基本的にターンの遅い方に効果の強いカードが固まっていて、ターンの早い方にそのプレーそのものを邪魔するカードが設定されている。先手は将軍で建物を壊したいから将軍を取ろうと考えたとする。そしたら相手は建物を壊されたくないので司教を取り、さらに司教を暗殺されないよう暗殺者を捨ててくるかもしれない。それではつまらないので暗殺者から先に取ろうと考えてみる。すると相手は今度は将軍自体を捨てて返してくるかもしれない。じゃあ先手のときにたまたま司教が捨てられたターンで将軍を取るかと考える。でもそのときには後手は暗殺者を取り将軍を殺すかもしれない。そうやって思考の堂々巡りを繰り返しながら相手の思考の癖などからどれかの筋書きを選び賭けに出る。相手を出し抜くことが楽しいゲームだが、割と安牌な地味カードを淡々と選んでいたら邪魔もされずにサクサクと点数を稼げたりもするので、邪魔すると見せかけて自分の手を伸ばし、自分の手を伸ばすことに夢中と見せかけて一撃必殺の暗殺を仕掛けるという、ヒリヒリするやりとりがハマるのだ。
かなり玄人好みなゲームからと思いきや、長女は飲み込みが早く、容易く私の攻撃を見抜き、華麗に交わしてゆく。点数計算がまだ苦手なので勝ててしまうが駆け引きの筋自体は良いなと思った。先の先まで読んで布石を打てる巧みな人間に育って欲しい。父さんはそれができなかったから。